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2005年12月 5日 (月)

ラヴェンダーの咲く庭で

Ladies_in_lavender 手の届かないもの。

そんなものを前にする「どうしようもなさ」に、いつも心揺さぶられてしまいます。

■あらすじ■

1936年、イギリスのコーンウォールの村。 
海を望む家で老姉妹、ジャネット(マギー・スミス)とアーシュラ(ジュディ・デンチ)は、慎ましく、穏やかに暮らしている。

嵐の翌朝、浜辺に打ち上げられた若者を発見し、姉妹は自宅で手厚く看護する。
若者の名前はアンドレア(ダニエル・ブリュール)、ポーランド人で ヴァイオリンの才能があることが判明する。

(2004/イギリス) ★★★★☆

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私が年老いたら、この映画の中で暮らしたい。 

姉妹と共に散歩を楽しみ、時には家政婦のドーカスにどやされ、硬いビスケットとお茶を頂くのだ。(笑)

激動の時代に突入するのに、のん気にそんなことを思ってしまったのは、姉妹の仲の良さゆえかな。 
2人のやり取りに、是非、加わりたくなってしまったの。

変わらない毎日。 
日々をやり過ごすことに慣れた、年月。 

そんな中に訪れた〈異邦人〉。

その人は、誰でも良かったんだと思う。 
例えば、おじいさんでも。 
姉妹に変化をもたらし、やがては過ぎ行くのだ。

しかし映画に登場するのは、若く、才能を持ったアンドレア。 

姉妹には長らく無縁だった刺激的な存在。 
とくに長年、王子様を待ち続けていたアーシュラには・・・。

若さへの羨望、才能への憧れ。 
波打つ鼓動は、異性へのときめきに変わる。

想いを寄せるアーシュラの可憐な表情ときたら、乙女そのものです。 
手の届かないものだと、儚い夢なのだと、分かっていても想いはなお募る・・・。

夢の中に、年頃の娘時代の自分を登場させてたのが、妙にリアルで生々しかったです。 
しかし、それこそが「もし、私が若ければ・・・」と口には出せないアーシュラの望み。 

夢から覚め、現実の自分に打ちのめされる。 
取り戻せない。 戻れない。

そしてまた、もう一人の〈異邦人〉が現れる。

若く、美しい画家のオルガ(ナターシャ・マケルホーン)。 
老姉妹は彼女を〈敵〉とみなす。 

自分たちにはない“若さ”を振りまき、いずれはアンドレアを奪うのではないかと危惧しているのだ。

このオルガの描き方がなかなか上手い! 

ことごとく“邪魔者”として登場するから、自然と警戒心が湧く。 
決してオルガは悪い人ではないのに、見ているうちは老姉妹の味方になってしまいます。

しかし、お兄さんからの電報→パブ→翌日の経緯からも、かなりの強引さ。 
パブで打ち明けなかったことからも、確信犯です。 

そんなオルガに恋焦がれて心を持て余している人が、もう一人。

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