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2006年3月22日 (水)

ブロークバック・マウンテン

Brokeback_mountain スクリーンから流れる「感情」を読む。

■あらすじ■

1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。 定職のないイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は、羊放牧の職を得る。

大自然の中で一緒に過ごすうちに2人の間に絆が生まれ、男同士の許されない関係へと変化していく。

山を降りたイニスは許嫁のアルマ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚、女の子が生まれる。 ジャックもまた ラリーン(アン・ハサウェイ)と結婚し男の子を授かる。 

1967年、イニスのもとにジャックからの葉書が届く。 

(2005/アメリカ) ★★★★★

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※【ネタバレあり】・・・未見の方はご注意ください。

ブロークバック・マウンテンの美しく過酷な山の情景。

その中で育まれる「愛情」。 それが全てであり、原点だった。 

「僕たちにはブロークバック・マウンテンの想い出しかないじゃないか!」

ジャックの叫びが心に痛い。

映画を見終えた後も、ずっと2人のことを考えていた。 じわじわと映画の余韻が押し寄せてくる。

何よりも描き方が深いのだ。  

ただ表面をなぞっただけでは、この映画の良さは充分に伝わらない。 

寡黙なイニスや 微細なやり取りに神経を集中させ、この登場人物は何を考えているのか想像する。 

喜怒哀楽のハッキリした楽観的なジャックの心象は読みやすい。 すぐに行動で示すから、欲求不満も「メキシコ」や「牧場主の旦那」で解消。 

一方のイニスは9歳の時に見た「ゲイ・カウボーイのリンチ死体」がトラウマとなり、感情を抑圧して生きている。 自分に正直になることを恐れているのだ。 

ジャックに負けず劣らず、激しく狂おしい感情があるのに、それを表に出すことは彼自身が許せない。 それは、死より怖いことだったのかもしれない。

しかし、何より恐れていたことが実際に起きてしまう。 

隠すように大切にしまわれていたシャツを見つけて、イニスは何を思っただろう。

ふるいにかけて大切なものを残していけば、きっと最後に残ったのはジャックの存在だったのに・・・。

自分のクローゼットにしまったジャックのシャツ。 その上に重ねた自分のシャツ。

そうしてイニスは 永遠にジャックを抱きしめる。

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