« セクレタリー | トップページ | レス・ザン・ゼロ »

2006年4月20日 (木)

サマリア

Samarian_girl 痛みの連鎖。

第54回ベルリン国際映画祭、銀熊賞受賞作品。

■あらすじ■

ヨジン(クァク・チミン)は父(イ・オル)と二人暮らしの女子高生。 
親友のチェヨン(ソ・ミンジョン)は当たり前のように援助交際をしている。

ヨジンはそれを嫌いながらも、チェヨンのために見張り役として行動をともにしている。 

そんな矢先、ヨジンが見張りを怠った隙にホテルに警官の取締りがやって来て、その手から逃れようとチェヨンは窓から飛び降りてしまう。 

いつもどおりの笑顔を浮かべたままチェヨンは死に、ヨジンは稼いだお金を客に返す決心をする。 
そんな娘の行動を見守っている父のことを知らずに。

(2004/韓国) ★★★☆

-----------------------------

恋のような、憧れのような、深い絆で結ばれた2人。 
きっと2人一緒なら、世界を敵に回しても生きていける。  

悲しい顔をさせたくないのに、いつも笑顔でいて欲しいだけなのに、傷ついてばかりいるあの子。 

ずっと側にいると、疑いもなく思ってた。 

失った片割れを取り戻すことは出来ないけど、ともに生きるよ。 あの子が受けた痛みを全部引き受けるから。 

人は痛みに敏感だから、傷ついた分、また誰かを傷つけてしまう。

答えを出さずに終わるラストに、ヨジンと共に頭の中がぐるぐる回る。 

そんな混乱の次に押し寄せてきたのは、ヨジンのお父さんの溢れんばかりの愛情。 

きっと、本当は娘のためって言うより自分のために、お墓参りをしたかったんだ。 

娘を責めもせず、見守ることしか出来ない父親。 

少女2人の話に、その存在は異質。 据わりの悪さと無力感が加わって、話の方向が掴めない。 

けれど、次第に気付いた。 少女2人が繭の中で自分達だけの世界で暮らしていたように、

この父親も娘と2人、繭の中にいたんだ。

人は優しくて弱い。

痛みの発露に、自分が傷ついても愛する人を傷つけないような方法を取る。 

けれど、強い。

今はまだ立ち上がれなくても、きっと前に進むから。

|

« セクレタリー | トップページ | レス・ザン・ゼロ »

DVD etc.」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/129220/9682311

この記事へのトラックバック一覧です: サマリア:

» 「サマリア」居心地の悪い、心地よさ [soramove]
「サマリア」★★★wowow鑑賞 クァク・チミン、ハン・ヨルム主演 キム・ギドク監督、2004年、韓国 映画を監督で見ることは殆ど無いが 韓国のキム・ギドク監督は 「魚と寝る女」に出会ってから なるべく見るようにしている。 きっと観客動員は少ないだろうなと ...... [続きを読む]

受信: 2006年5月17日 (水) 22時24分

» <サマリア>  [楽蜻庵別館]
2004年 韓国 97分 原題 Samaritan Girl 監督 キム・ギドク 脚本 キム・ギドク 撮影 ソン・サンジェ 音楽 パク・ジウン 編集 キム・ギドク 出演 ヨジン:クァク・チミン    チェヨン:ソ・ミンジョン    ヨンギ:イ・オル     ヨーロッパ旅行に行きたいからと、援助交際をしているチェヨンとそのチェヨンの電話やお金の管理と見張りをしているヨジン、そしてヨジンの父ヨンギの関係を“バスミルダ(その人と寝た男性は仏教徒になるという、インドの伝説の娼...... [続きを読む]

受信: 2006年5月18日 (木) 07時25分

» サマリア [金言豆のブログ ・・・映画、本、イベント情報等]
★本日の金言豆★ 援助交際は韓国でもあるが、日本ほど報道されることがなく、問題視されていない。(監督談) 2005年9月23日発売  「出会い系サイト規制法」「淫行条例」「児童売買 [続きを読む]

受信: 2006年5月20日 (土) 01時48分

« セクレタリー | トップページ | レス・ザン・ゼロ »