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2006年5月31日 (水)

天空の草原のナンサ

The_cave_of_the_yellow_dogらくだの涙」のビャンバスレン・ダバー監督作品。

■あらすじ■

果てしなく広がるモンゴルの草原に、遊牧民の家族が暮らしている。 
羊飼いの父親と、優しい母親、6歳になる娘のナンサと、その妹と弟。

ある日、一人でお手伝いに出かけたナンサは、寄り道したほら穴で子犬と出会う。

ナンサは子犬を“ツォーホル(ブチ)”と名付け連れ帰るが、父親は飼うことを許してくれない。 
母親の言うことも聞かず、ツォーホルをこっそり飼うことにしたナンサは、放牧に出かけた草原でツォーホルとはぐれてしまう。

降り出した雨の中、雨宿りをさせてくれた老婆から、ナンサは「黄色い犬の伝説」を聞くことになる・・・。

(2005/ドイツ) ★★☆

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前作の「らくだの涙」はドキュメンタリーでしたが、今回は違うそうです。

でも、作風は同じカンジ。 

この監督の作品はドキュメンタリーのようであまりにも映画的。 
どのくらい演出が入っているのかが気になってしまいます。 

だから、ちょっと意地悪な見方をしていたかもしれません。

ナンサちゃんの愛らしさにも、子犬の愛くるしさにも心揺り動かされずに、何かをずっと待っていた気がします。

何を期待していたんでしょうか? 何も起こらないのに(笑)。

「黄色い犬の伝説」がもっとストーリーに絡んでくる劇的なものを期待してしまったのかなぁ・・・。

ナンサちゃんの成長ぶりもあまり感じられず、結局は(言いなりではないけど)ナンサちゃんの希望通りに事が運んだだけのようにも思える。

けど、ラストシーンであっちに行ったり、こっちに行ったり、ふらふらと移動する羊の群れを見ていたら、お父さんには牧羊犬が必要だって思いました。(笑)

移動式住居(ゲル)の解体シーンからが、この映画の見所。

子供達が着ている民族衣装(デール)はカラフルで、可愛かったです。

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2006年5月29日 (月)

嫌われ松子の一生

Memories_of_mastuko 不幸の絶頂は幸福?

原作はかなり前に読んだのですが、まるで松子を好きになれず、中谷美紀の「この役をやるために女優を続けてきた」と言う発言には、心底驚きました。
どんな暗い映画が出来上がるのかと思ったら、カラフルポップ&コミカル!!

「下妻物語」にもビックリさせられたけど、今回もスゴイ!
 あの原作をここまで味付けするなんて! 

■あらすじ■

昭和22年、福岡県の川尻家に長女として生まれた松子(中谷美紀)。 
彼女は23歳で教師をクビになり、それまでのエリートから転落して家を飛び出してしまう。 
そこからの松子の人生は、坂道を転がり落ちるかのごとく不幸の連続。 
さまざまな男と出会っては、松子の選択は不幸へと繋がる。

そして、53歳になった松子は荒川の河川敷に死体となって発見される。 

それまで松子と言う伯母がいたことも知らなかった甥の笙(瑛太)は、松子の生涯を探っていく。

(2006/日本) ★★★★

【その他の出演者】…宮藤官九郎、劇団ひとり、香川照之、柄本明、市川実日子、柴咲コウ、片平なぎさ、ゴリ(ガレッジセール)、武田真治、荒川良々、谷原章介、BONNY PINK・・・

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行き当たりばったりの人生。 
だけど、どんな不幸のどん底からも這い上がれる力を持ったしぶとい人間。
それが、松子。

もう人生終わったと 何度思っても、その都度 浮上できるのは「好き」とか「君が必要だ」とか甘い戯言に騙されて。 

必要とされている。 
自分を欲してくれる人がいる。

そこに安心感を得る。

と言うのも、幼い頃から父親からの愛情を求め続けた松子は、満たされないものを抱えているから。 

そうして松子の行き場のない愛情は積もり積もって、自分を必要としてくれる人に惜しみない愛情を注ぐ。 
いつだって全力投球で。 

必要以上に頑張ってしまったり、愛されたいから我慢しちゃったりってのは、なんとなく解かる。 

でも、でも、松子の場合は極端すぎるー! 
しかも、男を見る目がないし、終いには誰でもいいんじゃないかと思うほど。

教え子の龍 洋一(伊勢谷友介)に寄り添う松子だけど、
「一人よりまし、さみしいよりまし(だから、一緒にいる)」って言うのは哀しすぎます。 

「好きだから一緒にいる」のが健全だと思うし、そこまで孤独を抱えているようには思えなかったけど、結局、松子には持て余した愛情を注ぐ『対象=男』が必要なんだよね。 

(ちなみに、私が持て余している愛情の対象は『映画』です!笑)

松子は神の存在のようにも語られるけど、龍にとってはそうかもしれないけど、やっぱり私は違うと思う。

松子が全力で人を愛するのは、愛した分だけ自分を愛して欲しいから。 
いつだって、ちゃんと、見返りを求めてる。 

だけど悲しいかな、誰も松子の愛情に応えてはくれないのだ。 

それが、松子の不幸。 

端折っている部分もあったけど、自分の中でフォローしながら楽しく鑑賞しました。

ラストのフィナーレは感動的ですらありました。

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2006年5月27日 (土)

エコーズ

Stir_of_echoes 「シックス・センス」と同じ年に作られたものの、
その影に隠れてしまったらしい。 

昨年、無事に(?)日本でも劇場公開されました。 

■あらすじ■

配線工のトム(ケヴィン・ベーコン)は、妻マギー(キャスリン・アーブ)と息子ジェイク(ザカリー・デヴィッド・コープ)の3人暮らし。 

ある日、義姉のリサ(イレーナ・ダグラス)から受けた催眠術が引き金となって、不気味な映像が脳裏に浮かび、少女の霊を見る。 

不可解な現象に悩まされつつも、やがて、その少女サマンサが半年前に失踪したことを知り、事件を解き明かしてゆく。

(1999/アメリカ) ★★★

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ホラーは苦手なので、このくらいの恐怖度で充分でした。 

なんだか怖いのは、訳が分からないから。 理由が見えてくると、次第に恐怖もやわらいできました。 

ある失踪した少女の話を軸に、「シックス・センス」のハーレイ・ジョエル・オスメントよろしく、霊感に目覚めてしまったケヴィン・ベーコンのお話し。 

割りと話がまとまっていて悪くないんだけど、関係ないところが気になりました。

まずは、電車の音や飛行機の音が映画を横切ることが多くて、何か意図があるのかなって思った。 
けれど、全く関係なかったみたい。 気を回しすぎた!

でも、何度も繰り返されるので、強調される住みよい町にある亀裂や歪みを表現していたのかも・・・と、後からこじつけて考えてみました(笑)。

それから、同様の霊感を持つ黒人警官のエピソードは設定説明に費やされ、全く話に絡んでこないのは残念です。  

説明を聞いたはずのマギーも、それでも夫に理解を示さないし・・・。

私はトム目線から映画を観ていたけど、マギーから見ると確かに「不実の夫」に思えるかも・・・。 

忘れていたけど、マギーは妊娠中なのだ。

突然、ダンナが引きこもったり、庭をほじくり返したりし出したら、マタニティ・ブルーに拍車をかけて、不安になるよねー(笑)。  

とりあえず私としては、引っ越す前に 黒人警官のところに寄って、息子を育てる上でのアドバイスを聞いて行けば?と思うのです。
ジェイクの将来が心配だ。

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2006年5月24日 (水)

ブリキの太鼓

Tin_drum 1979年、アカデミー賞外国語映画賞 & カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。

■あらすじ■

1924年ポーランドのダンツィヒ。
従兄ヤンと愛し合うアグネスはドイツの負傷兵アルフレートと結婚。
3人のイビツな関係からオスカルが生まれる。

3歳の時、大人の醜い世界を見たオスカルは、成長することを止めてしまう。
それ以来、ブリキの太鼓を叩きながら奇声を上げるとガラスを壊すことのできる不思議な力を身につける。 

やがて、ヤンと情事を重ねていた母アグネスは、彼の子供を身ごもった罪悪感に駆られて自殺してしまう。 

そして、1939年9月1日。 
ポーランド郵便局襲撃事件が起き、居合わせたヤンは銃殺されてしまう。

オスカルの母親がわりとして16歳の少女マリアがやってくる。 オスカルとベッドを共にする彼女は、アルフレートの妻になり、息子クルトを生む。

クルトは自分の息子だと信じて疑わないオスカルは、3歳になったらブリキの太鼓を贈ると約束し、ベブラ団長と共に戦場慰問の旅に出る。

(1979/西ドイツ・フランス・ポーランド) ★★★★★

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やっと見た。 
凄い話だと思っていたので、前から見たかったのです。 

よく言われる「グロテスク」な描写も、心構えが出来ていたからかそんなに気にならなかったです。
ですが、大人を見つめるオスカルの冷めた視線が凄いっ!

オスカル役のダーヴィット・ベネント君は、撮影当時11歳。
だよね、だよね。 こんな3歳児、怖すぎだもん! 

4枚のスカートをはいているアンナが放火魔の男をスカートの下に匿ったことから物語は始まる。 
そのアンナから生まれたのが娘アグネス。

アグネスを巡る微妙な3角関係は、後のマリアを巡るオスカルと父親の関係ともダブるけど、性道徳が破綻してるのが凄まじい。 

馬の首とウナギ。 ソーダの粉をつけた指。 

示唆、暗喩、隠喩。 全部は理解できなくとも、見ていて呑み込まれそうな才気が伝わってきました。

ウナギのパイを食べることを強要されたアグネスが反抗してベッドに泣き崩れるのを慰めるヤン。 
すると、クローゼットの鏡の角度で隣の部屋にいるアルフレートが映りこむ。 

クローゼットに潜り込んで、そんな大人たちを見ているのはオスカル。

この場面には、思わず唸ってしまいました。 

他には、アルフレートが出かけるナチの集会シーンも好きです(笑)。 
オスカルの超能力、恐るべし、です。

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2006年5月22日 (月)

ダ・ヴィンチ・コード

Da_vinci_code 「ダ・ヴィンチ・コード」を映像化。 
それ以上のものではないかも。。。

■あらすじ■

閉館後のルーヴル美術館。 
銃で撃たれたルーヴル美術館の館長、ソニエールは死の間際にダ・ヴィンチの素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模して横たわり、不可解な暗号を残す。

ハーヴァード大学教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、フランス司法警察のファーシュ警部(ジャン・レノ)から捜査協力を求められるが、実はラングドンは第1容疑者だった。 

ソニエール館長が残した暗号の中に、ラングドンの名前があったのだ。

殺人現場に現れた暗号解読官のソフィー・ヌブー(オドレイ・トトゥ)に助け出され、ラングドンは なんとか逃げ出すことに成功、ソフィーがソニエール館長の孫娘であることを知る。 

暗号は自分に宛てられたものだと確信するソフィーと2人で、ソニエールの暗号解読に挑むのだが、

やがてダ・ヴィンチの絵画に隠された歴史を揺るがす暗号や重大な真実に行き着くことになる。

(2006/アメリカ) ★★★

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原作ファンとしては、映像化されたってだけで満足。 

想像を膨らませていただけの、騎士の彫像が祭ってある「テンプル教会」や「アイザック・ニュートンの墓」、暗号だらけの「ロスリン礼拝堂」を目にすることが出来て嬉しいです。 

欲を言えば、もっとじっくり見たかった。

膨大な情報量を映画として無難にまとめたところは評価されていいのかもしれません。 

でもそれは、「この場面はあそこだ!」と自分の中で原作と映画の置き換えが出来ていたからで、【映画】としてこの作品を見た場合は、大分 印象が変わるかも。

サスペンスでのハラハラがないんだもん! 
すでに原作を読んでいるからかなぁとも思ったのだけど、それにしても・・・です。

シラス役のポール・ベタニーはハマっていたと思います。
映画の配役の中では1番のはまり役!! 

サー・リー・ティービング役のイアン・マッケランも良かったです。 
ちょっと、お茶目なところとか、さすが上手い(笑)。

それに比べると主演の2人、トム・ハンクスもオドレイ・トトゥは始終むっつり顔。

散々、言われているトム・ハンクスの髪形よりも、眉根を寄せたしかめっ面しか見せない事の方が気になりました。

原作だともっとユーモアやウィットにとんだ会話があるのですが、サスペンスの要素を重視したのでしょうか。 
(だとしたら、ちっとも怖くないのはどうして~。 暗号をサクサク解いちゃうから?) 

ジャン・レノ扮するファーシュ警部も「なんでジャン・レノ?」ってカンジで、いま一つ かみ合ってないような・・・。 

映画ならではのことをするなら、やっぱり、折角ルーヴル美術館が撮影を許可したこともあるし、歴史的遺産の数々をその素晴らしさが伝わるショットで映して欲しかったです。 

そう言えば、最期にソフィーとラングドンがロスリン礼拝堂前で別れるところでは、強風の中の撮影だったのか、風の音が凄かったです。 
「ボボボボボッ」ってマイクに打ちつける風の音がそのままだったけど、「いいのかな?」って思っちゃった。 

誰が監督しても文句を言われるのでしょうけど、他の人が監督したらどんな風になったかなぁって想像してしまいました。

スティーブン・スピルバーグだったら、もう少しエンターテインメント性が増えたかもしれないけど、概ねロン・ハワード監督と同じ感じに仕上がったかも・・・?

見てみたいなと思うのは、リドリー・スコット監督ヴァージョン。 
重厚な作品を撮るから、映画に厚みを持たせてくれそう。 
勝手な思い込みですが(笑)。

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2006年5月20日 (土)

ヒトラー ~最期の12日間~

Downfall 終焉の断末魔。

「es [エス]」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督作品。 

■あらすじ■

1945年4月20日、ベルリン。 
迫りくるソ連軍の砲火を避けるためヒトラー(ブルーノ・ガンツ)はドイツ首相官邸の地下要塞に退却。 

敗戦の気配が濃厚に漂う中、ヒトラーは正常な感覚を失いつつあった。

そして、ついに敗北を決意したヒトラーは、ある重大な決意をすることになる。

(2004/ドイツ) ★★★★☆

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秘書から見たヒトラーの姿。

「人間・ヒトラー」を描くことが今までタブーだったのだと、改めて思い知らされました。 

けれど、それもまた、ヒトラーの一面でしかないのでしょう。 
秘書のユンゲも、ヒトラーの謎には迫れない。 

けれど、決して知ることの出来なかった部分を知ることは出来た。

その昔、ヒトラーがどのような人で、その最後が地下トンネルでの自殺だと知った時に、周りにいたであろう人たちはどうしたんだろうって思っていた。

その疑問を深く追求することもなかったけど、この映画でヒトラーの最期に向けての準備を興味深く見守りました。

側近達や近しい人と最期のお別れまでして、ヒトラーの自殺行為が周知の事実だったのは驚きです。 

段取りまで行われて、まるで普通の自殺とは違う。 
死ぬことよりも死体を消滅させることが大事なようでした。 

終焉を迎えようとしている末期の戦場と、無機質な地下空間。 

ピリピリとした緊張感が漂う極限状態に見えてくる人間の本質。 

真実が耐え難いものであればあるほど、その真実と向き合うことは困難を伴う。

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2006年5月18日 (木)

亀も空を飛ぶ

Turtles_can_fly 戦争が奪うもの。 戦争が残すもの。 

■あらすじ■

2003年春、イラク北部クルディスタン地方の小さな村。 
この村では、子供達は地雷を掘り出しては仲介人に買い取ってもらい、わずかばかりの現金収入を得ている。 

そんな子供達のリーダーで便利屋のサテライトは、村の大人からも重宝されている。 

しかし、間もなく戦争が始まろうとしているのに、一向にアメリカ軍の動向が分からない。 

村の大人は衛星放送を受信するためのパラボラ・アンテナをサテライトに設置してもらうが、肝心のニュースは英語放送で誰も理解できない。 

ある日サテライトは、ハラブジャから来たと言う 赤ん坊を連れた難民の少女アグリンに恋をする。 
そして彼女には、地雷で両腕を失った兄がいることを知り、その兄に予知能力があることに気付く・・・。

(2004/イラク・イラン) ★★★★★

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TVでは知ることの出来ない世界。 

視聴者に受け入れられやすいように編集された映像ではなく、そこに息づいたありのままの生活がリアル。 

でも、これは「映画」であって、「ドキュメンタリー」ではないから、役柄もストーリーも「本物」ではない。 
なのに、そこに「本物」らしさを感じるのだ。

演技をしたことのない子供達の表情。 
傷ついた土地。 
それは、「本当」なのだと圧倒的に迫ってくる。 

戦場や戦争が身近にあることが、すでに日常になっている世界。 

考えられないけど、それが「現実」なのだと思い知らされる。

そこで生きてゆく為に知恵を絞り、危険に身をさらし、子供達は地雷を捜す。 
時には大きな代償を払って。

そんな子供達を、大人達は道具のように扱う。 
まるでスペアがあるみたいに。

足を失った子供。 腕を失った子供。 取り戻せない身体の一部。 

それでも、逞しく生きる。 

けれど、傷ついたのは肉体だけではないのだ。 

心をズタズタに引き裂かれている。 

弱いものばかりが代償を払うハメになるのが痛ましすぎる。 

でも、目をそらさずに、知ることから始める。

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2006年5月17日 (水)

グッドナイト&グッドラック

Good_night_and_good_luck 「赤狩り」

何度も聞いた、その言葉の意味を理解は出来ても、そこに含まれる恐怖や当時のピリピリした緊迫感までは理解できないでいた。

だから、この映画は興味はあったけど、難しくて理解できないかもって思っていたのですが・・・

■あらすじ■

1953年、冷戦下にあるアメリカ。 マッカーシー上院議員率いる委員会は、国内の共産主義者を根絶やしにしようと躍起になっていた。

報復を恐れるマスコミは見て見ぬふりをする中、大手テレビ局CBSの人気キャスター、エド・マロー(デヴィッド・ストラザーン)とプロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)は、マッカーシー議員の虚偽と策謀の事実を番組内で報じることに踏み切る。

(2005/アメリカ) ★★★★

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自分でも意外なほどに、すんなり映画に入っていけました。

それは、最初に流れる時代背景の説明が分かりやすく、自分が理解していた範囲内だったからだと思います。 

これは映画についていけそうだと、かなり、ホッとしました(笑)。

全編にジャズがちりばめられてて、難しい映画というより、オシャレな映画といった印象を持ちました。 
そんなところも、取っ付きやすかったのかもしれません。

マッカーシー議員と直接 対面(対決)するシーンがないので、追い詰めて追い詰められてってところで画面に迫力はないですが、モノクロの画面に大写しされるデヴィッド・ストラザーンのきびきびした顔がステキです。

その場の雰囲気や流れに身を任せてしまうのは容易いけれど、自分の意見をしっかり持って全体を見渡す目を持つことは、なかなか出来ることではないですよね。 

真実を報道する使命。 

影響力を知った上で、報道すべき価値を見出すこと。 

くだらない番組を放送するTVに対しての鬱憤が溜まっていた私には、最後のエド・マローの言葉に相槌を打ちたくなるほど共感しました(そして、何より格好良かった!)。 

しかし、そんな使命感をもって番組を作っている人は、少ないだろうなぁ・・・。

そう言えば、ロバート・ダウニー・Jr.パトリシア・クラークソンの何気ないエピソードが好きなんですけど、社内結婚が禁止なんてビックリしました! 
当時はそれが常識だったんでしょうか? 

「コンフェッション」に続く、ジョージ・クルーニーの監督2作目。

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2006年5月15日 (月)

ナイロビの蜂

Constant_gardener 「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督作品。

レイチェル・ワイズがアカデミー賞助演女優賞を受賞。

■あらすじ■

アフリカで暮らす英国外務省一等書記官ジャスティン(レイフ・ファインズ)と妻テッサ(レイチェル・ワイズ)。 
熱心に慈善活動を行うテッサは、ある日、謎の死を遂げる。

彼女の死を不審に感じたジャスティンは真相を追究していくが、やがてテッサが製薬会社の絡んだ陰謀に巻き込まれていたことを知る。

(2005/イギリス) ★★★★☆

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原作のジョン・ル・カレはスパイ小説の巨匠なのだそうだ。 
あまり本を読まない私でも、映画を観たら「原作本」が読みたくなってしまった。 

あまりに壮大なラブストーリー。 
だけど、その裏にはアフリカを食い物にする利権の奪い合いが渦巻いている。 

何故、妻は殺されたのか?

何をしに、出かけたのか?

知っているようで知らない妻の顔。
相手を尊重するが故に、踏み込めなかった妻の領域。 

愛する人を知るために、テッサの辿った軌跡をなぞる。 

個人的にはレイチェル・ワイズよりも、レイフ・ファインズが良かったです。 
物静かでガーデニング好きな外交官の役がぴったりハマってた! 

ジャスティンは、テッサの謎を解くために駆け回り、ついには命を狙われるハメになる。 テッサと同じように・・・。 

このあたりはサスペンスで、ただの甘い甘いラブストーリーではないです。 

興味深くストーリーを追っていたけど、感動的ってカンジはしないなぁと、どこか頭の片隅で思ってた。 

そしたら、最後にぐらりと来ました。

愛する人を守るため、秘密を持てるだろうか? 

知って欲しい、理解して欲しいという思いが強い分、秘密にすることは苦しい。 

愛しているから、秘密にしたテッサ。 

愛しているから、秘密を解いたジャスティン。 

そんな2人の愛の軌跡。

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2006年5月14日 (日)

レイフ・ファインズ

Ralph Fiennes

  • 誕生日:1962年 12月 22日
  • 出身:イギリス
  • 父は写真家。 母は小説家で画家。 妹は映画監督。 弟は作曲家。 もう一人の弟は俳優のジョセフ・ファインズ。 芸能一家。

主な出演作:

  • 「嵐が丘」(’92)
  • 「シンドラーのリスト」(’93)
  • 「ベイビー・オブ・マコン」
  • クイズ・ショウ」(’94)
  • 「ストレンジ・デイズ」(’95)
  • 「イングリッシュ・ペイシェント」(’96)
  • オスカーとルシンダ」(’97)
  • 「アベンジャーズ」(’98)
  • 「プリンス・オブ・エジプト(声)」
  • 「オネーギンの恋文」(’99)
  • 「ことの終わり」
  • 「太陽の雫」
  • 「レッド・ドラゴン」(’02)
  • 「「スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする」
  • 「メイド・イン・マンハッタン」
  • 「ギャンブル・プレイ」(’03)
  • ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(’05)
  • ナイロビの蜂
  • 「上海の伯爵夫人」
  • ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(’07)

公開待機作:

  • 「クロモフォビア(原題)」…監督は妹のマーサ・ファインズ。 共演はペネロペ・クルス、クリスティン・スコット=トーマス。
  • 「ランド・オブ・ザ・ブラインド(原題)」…共演はドナルド・サザーランド。
  • 「ディスグレイス(原題)」…ブッカー賞受賞小説「恥辱」の映画化。
  • 「フー・キッド・ノーマ・バーンス(原題)」
  • 「ドリス・アンド・バーナード(原題)」…共演はスーザン・サランドン。 インディペンデント系作品。
  • 「Snow Country」…川端康成の『雪国』が原作。 カナダ北部を舞台に裕福な紳士とイヌイットの少女の恋物語。 監督作として計画中。
  • 「The Reader(原題)」…『朗読者』の映画化。 監督は『めぐりあう時間たち』のスティーヴン・ダルドリー。 共演はケイト・ウィンスレット。
  • 「ザ・ハート・ロッカー(原題)」…共演はシャーリーズ・セロン、コリン・ファレル、ウィレム・デフォー。 爆発物の処理を専門に行うエリートチームの活躍を描くアクション・ドラマ。

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2006年5月12日 (金)

カナリア

Canary 父的存在の不在。 

■あらすじ■

母親に連れられ、カルト教団“ニルヴァーナ”の施設で暮らすことになった光一(石田法嗣)と妹。 
教団はその後、テロ事件を引き起こし壊滅。 

母親は行方が知れず、光一と妹は関西の児童相談所に預けられる。 
やがて祖父が妹を引き取るが、光一の引き取りは拒否。 

ある日、光一は再び、親子3人で暮らすために児童相談所を脱走。 
妹を取り返すため、東京の祖父母の家を目指す。

その途中で、心に傷を抱えた少女・由希(谷村美月)に出会う。

(2004/日本) ★★★

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寡黙で瞳で演技の出来る主役の石田法嗣も良かったですが、由希役の谷村美月が良かったです。

この子、映画館で黒い涙を流している子だよね。 
大阪弁を軽快に操り、さらりと光一に寄り添う姿が不自然でなく目を引きました。 

無関係なのに、光一の孤独な旅路に寄り添って、「パッション」での“マグダラのマリア”を思い出しちゃった。 

でも、「光一」=「キリスト」ではなく、 光一は「神の子」であることを否定された存在。 

自分は何者なのか。 
この世界は何なのか。 
どこへ行けばいいのか。 
どうすれば良いのか・・・。

疾走」でも、孤独な主人公に女の子が寄り添うお話でした。 
親に見捨てられるところも似てます。 

映画は時代を反映しているなら、冒頭に書いたように「父的存在の不在」が気になります。 

この映画には光一の父親は登場しない。 
死亡したのか、離婚したのかも、一切語られない。 

肉親である父親から否定された母・道子にとっての「父的存在」は、カルト教団の教祖なのだろう。 

また光一も、祖父から拒絶されるけど、伊沢(西島秀俊)が「父的存在」に近いのではないだろうか。 
初めて教団施設に来た日、食べ物を床に投げ出す光一は伊沢の出方を試したのではないか?

懐疑的な光一に、全身全霊でぶつかってきた人。 
だからこそ、光一は伊沢に心を許すし、伊沢が信じているものを信じたのではないか。 
そんな気がした。

生きていくには誘惑も多い。 唆され、騙され、傷つけられる。 

自分を守ること。 自分で生きること。 自分で決めること。

伊沢の厳しい言葉の中には、そんな意味も含まれていたんじゃないかと思う。

絶望から見た、希望の光。 
それを見失わなければ、きっと取り返しは付くし、何度だってやり直せると思いたい。 

施設の中や、元信者達の共同生活に、子供達の新しい環境への適応力を見せ付けられる。 

でも、この映画で気になるところが2点。 

「りょう」と「つぐみ」のレズ・カップルの登場は演劇的すぎて変。 
この部分だけ、ちょっと浮いてます。 
あまりにも浮世離れしていると言うか、寓話的すぎるような・・・。

そして、ラスト。 
光一に現れる「ある変化」は、面食らいました! 

個人的には、何も変えない方が良かった気がするなぁ・・・。 
あからさま過ぎると言うか、画面から浮いて見えるもん。 

光一の未来を見据える表情だけで、充分だと思うのですがね・・・。

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2006年5月11日 (木)

ナタリー・ポートマン

Natalie Portman

  • 誕生日:1981年 6月 9日
  • 出身:イスラエル・エルサレム

主な出演作:

  • 「レオン」(’94)
  • 「ヒート」(’95)
  • 「ビューティフル・ガールズ」
  • 「マーズ・アタック!」(’96)
  • 「世界中がアイ・ラブ・ユー」
  • 「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(’99)
  • 「地上より何処かで」
  • 「あなたのために」(’00)
  • 「ズーランダー}(’01)
  • 「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」(’02)
  • 「コールドマウンテン」(’03)
  • 「クローサー」(’04)
  • 終わりで始まりの4日間
  • 「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(’05)
  • 「フリー・ゾーン ~明日が見える場所~」
  • V フォー・ヴェンデッタ
  • パリ、ジュテーム」(’06)
  • 「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」(’07)
  • マイ・ブルーベリー・ナイツ
  • 「ダージリン急行」
  • 「ホテル・シュヴァリエ」(「ダージリン急行」のプロローグ)

公開待機作:

  • 「Gpya’s Ghost」…監督はミロシュ・フォアマン。 画家ゴヤとミューズの話。
  • 「ジ・アザー・ブーリン・ガール」…ヘンリー8世の2番目の王妃アン・ブーリン役。 共演はエリック・バナ、スカーレット・ヨハンソン。
  • 「嵐が丘」…ジョン・メイバリー監督。
  • 「New York, I Love You」…オムニバス映画。 監督デビュー!

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2006年5月 9日 (火)

ベルベット・ゴールドマイン

Velvet_goldmine 人は「スター」に何を求めるのだろう?

■あらすじ■

1984年、ニューヨーク。 
新聞記者のアーサー(クリスチャン・ベール)は、編集長にある事件の真相を記事にするよう言い渡される。 

それは70年代初頭のロンドンで熱狂的な人気を誇り、その後、突然 失踪したロック・ミュージシャン「ブライアン・スレイド(ジョナサン・リース・マイヤーズ)」の追跡調査。 

10代の頃、ブライアンの崇拝者だったアーサーは、当時のロンドンに思いを馳せる。

(1998/イギリス) ★★★★★ 

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グラム・ロックなんて知らないけど、知らないからこそ新鮮でした。

大事なのはイメージ。 ファッションこそがメッセージ。

確かに度派手な衣装が許されるのはスターの特権。

スター然とした振る舞いが「スター」を生み出すのか、隠し切れないオーラが「スター」の証拠なのか。

スポットライトを浴びることが許されるのは、選ばれた人間だけなのだ。 

しかし、ライトを浴びれば「影」が出来る。 

知る人が見れば、「ブライアン・スレイド」は“デビット・ボウイ”が、

「カート・ワイルド(ユアン・マクレガー)」は“イギー・ポップ”と“ルー・リード”が、モデルだと判るらしいのですが・・・

すでに、そのモデルからして判らない~(汗)。

けれど、ジョナサンとユアンの生歌が聴けるので嬉しいです♪ 
ユアンのライブシーンが好き(笑)。 

そして、ブライアンとカートのめくるめく世界(?)、メリーゴーランドのようなイメージ映像の2人の笑顔がポップな音楽とともに、頭から離れない・・・。 

心でつながれたと思った人と離ればなれになってしまうのは淋しい。 

何を見ていたのだろう。 ちゃんと掴んでいたのかな。 

想い出は、おぼろ。

欲しくて欲しくて仕方がないのに、近くて遠くて手に入らない。 

誰もが何も手に出来ない。 

最後には思いがけず、なんだか切なくて、甘酸っぱい気持ちになってしまいました。

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2006年5月 8日 (月)

未来惑星ザルドス

Zardoz 赤いパンツ姿のショーン・コネリーが衝撃的!

■あらすじ■

23世紀の未来社会。 
外界と遮断して楽園で暮らしている不老不死のコミュニティ「ボルテックス」に、ザルドスと呼ばれる石頭の飛行体に乗ってやってきたゼッド(ショーン・コネリー)。

ボルテックスの人々は、初めてやってきた外界からの人間(獣人)に興味を持つが、コンスエラ(シャーロット・ランプリング)はゼッドを殺すことを主張する。

しかし、不老不死のため性欲が失われたボルテックスの人々にとって、ゼッドは格好の研究対象だと科学者のメイが主張して、数週間だけ生かされることになる。 

(1974/イギリス) ★★★

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赤いパンツ姿って言えば「スーパーマン」だけど、スーパーマンだって全身タイツ。

この作品のショーン・コネリーが「赤いパンツ」以外に身につける物といえば・・・「ブーツ」と「変なマスク」くらい。 
ほぼ全編、パンツ姿・・・。 

ようやく、ラストで上着が着られた時は「良かったね」って思いました(笑)。 

冒頭に登場する「石頭(ザルドス)」のインパクトも強烈だったし、ちょっと変わった映画でした。 

でも、30年以上前の作品なのに全然、古くない感じ。 あんまり、この手の映画を観ないからかもしれないですが、斬新と言うか、新鮮でした! 

映画が始まってもショーン・コネリーが何者なのかサッパリ判らないんだけど、次第に「ボルテックス」や「石頭(ザルドス)の謎が解けていくあたりなんかは、面白かったです!

不気味な石頭のデザインにも、「ザルドス」という名前にも意図があったなんて!  

それに、理想郷のはずが「無気力人間」という病にかかりやすいとか、不老不死なので自殺も出来ないとか、「にらみ殺し」が出来るとか(笑)。

誰かを罰する時の手段は「加齢する」ことだったり、発想が面白いなって思いました。 

でも、私は「クリスタル」で躓きました。 

言わんとしていることは分かるんだけど、「クリスタル」の中に入ってからが長くてつまんなかったです・・・。 

ラストも「あとは自分達で想像してください」ってことなのかな? 

世界はどうなってしまったのだろうと気になりながら終わってしまった・・・。

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2006年5月 5日 (金)

甘い人生

A_bittersweet_life 超オレ様ナルシストが、壊れていくさまを堪能する映画。

■あらすじ■

ソウルを一望できるホテルの総マネージャーであるソヌ(イ・ビョンホン)。

冷酷なほどに頭の切れる彼は、ホテルの経営者であり裏社会をも牛耳るボス、カン社長から絶大な信頼を得ていた。 

ある日、命令によりカン社長の若い愛人ヒス(シン・ミナ)を監視することになったソヌは、ヒスに別の男がいることを知る。 

しかしボスへの忠誠心とは裏腹に、相手の男を始末するどころか 許し見逃してしまう。 

この“決断”が、ソヌに取り返しのつかない破滅の道をもたらしてゆく・・・。

(2005/韓国) ★★★

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自分しか見てない男の役がイ・ビョンホンに、これ以上ないほどハマってました。 

鏡、大好き。自分、大好きってカンジがするもん。(ファンの方、すみません)

チョコレートケーキ(ザッハトルテ?)を口に運ぶ姿で、ナルシストなキャラクターが充分 伝わるオープニングでした。 

そこから地下に降りてヤクザと乱闘するのは、「手下にやらせればいいのにぃ」って思うけど、これはビョンホンの格好いいところを見るための映画だからしょうがない。 

そんなソヌの運命を狂わすのがヒス。 

ここが一番、謎。 どこに そんなに惹かれたのでしょう? 

ファム・ファタールなカンジがまるでしないのですが、韓国的には一見、清純そうに見える愛人ってのはファム・ファタール的なの? 

カメラも「ヒス自身」より、スリップの「肩紐」とか映すから、どうもフェチっぽくて愛なのか、憧れなのか、何なのか、よく分からなかった。  

それに、ヒスに“ストーカー”のごとく張り付いて、彼氏とのデート中を見張るソヌは哀れで可哀そうな人に見えました。 

だから、ソヌのヒスへの想いも錯覚かと思ったんです。 

けれど「スタンド」を贈るシーンで やっぱり「愛」だったことが分かった。 でも、悲しいことに、一方的なんですよね・・・。 

それなりに満足した生活を送っていたのに、自分以外に興味を持ってしまったために、それまでのものが崩れていく。 

拉致されて、拷問されて、殺されそうになって・・・出血多量で死ぬんじゃないかと思ったけど、そこから巻き返しを計るんだからすごいよ。

その後に登場する廃車置場では、西部劇みたいに枯れ草が風にコロコロと舞って、一体 何が登場するかと思えば「でこぼこコンビ」。 

ここは完全にコメディでした。 唐突でビックリ。 なんか、変! 

どんどん、おかしな方向に進んでるようで、でも嫌いじゃないのはビョンホン(ソヌ)が割りと必死だから。 

もっと、ストイックでスタイリッシュな映画かと思っていたんです。 鼻につくほど格好つけた映画なのかと。 

でもそうじゃなくて、ビョンホンは どんどん人間くさく(泥臭く?)なっていく。 

確かに超人的な体力で、なかなか死なないけど(笑)、銃の命中率は低いし、泣き言も言うし、後悔もする。 

しかし、そんな弱気な自分をさらすのは(鏡の中の)自分の前でだけ!

最後にウィンドウに映った自分の姿を見て、本来の自分を取り戻すのは良かったな。 

そうして、甘い甘い霞の夢を見続けるのだ。

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2006年5月 4日 (木)

やさしくキスをして

Ae_fond_kiss 現代版、ロミオとジュリエット。

ケン・ローチ監督の作品を見るのは、「KES/ケス」「SWEET SIXTEEN」に続いてまだ3本目。 

■あらすじ■

スコットランドのグラスゴー。 カソリックの高校で音楽を教えているロシーンは、聡明で自分の意思を持った女性。

ある日彼女は、教え子の兄でクラブDJとして働く、パキスタン移民二世のカシムと知り合う。 

2人はすぐに深く愛し合うようになるが、カシムは親の決めた婚約者、従姉妹のジャスミンとの結婚が数週間後に控えていた。 

また、ロシーンも厳しいカソリックの教えのもとで、カシムとの事が原因で仕事を追われることになる。

(2004/イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン) ★★★

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この映画での2人の障害は「異教徒であること」だけど、「国籍」、「人種」、「肌の違い」、「言葉の違い」、「差別」、「偏見」・・・なんだって当てはまりそう。

いくら国際化が進んでいるとは言え、「宗教」は信仰の自由が保障されているから超えるのは大変そう・・・。 

この前見た「ぼくの国、パパの国」でも、イスラム教徒の結婚についてが描かれていたから、親が勝手に決めた許婚の存在には驚かないけど、

時代に合わなくなってきているのでしょう。 だから、世代間で摩擦が起きる。 

イスラム教徒同士の結婚によりイスラムの団結力を高めて、そうやって支え合って暮らしてきたのも分かるし、自分達の文化を守ろうと言う思いも理解できる。

だから、そこでは個人の幸せが 家族の幸せの上に成り立たない。

家族の幸せあってこその、個人の幸せなのだ。 

やっぱり すごく難しい問題を突きつけられていると思う。 

誰かを傷つけないと一緒になれない・・・。 それを「幸せ」と呼べるのか?

カシムの苦悩は私の理解をはるかに超えて、そのラストが「BEST」なのか分からない。 

分からないけど、かすかな望みを次女のタハラに見た気がする。 

「私は、色んな文化のミックスよ!」

自身の出身を恥じることなく、高らかに宣言する。 

世界を知り、吸収した彼女は、どんな女性になってゆくのだろう。

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2006年5月 3日 (水)

NOTHING [ナッシング]

Nothing 大丈夫、大丈夫、心配いらないよ。

どんな不幸な状況下であっても、そう言って励ましてくれる友達がいること。

「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリ監督による、2人の(青年とは言いがたい)男達の友情物語。

■あらすじ■

デイブとアンドリューは9歳からの親友同士。 

協調性がなく幼い頃から周囲に嫌われているデイブ、極度の心配性により家から出られなくなった引きこもりのアンドリュー。 

2人はお互いの欠点を補いながら一緒に生活していた。

ある日、2人は次々と襲いかかる“不幸”により、世の中全てが嫌になってしまう。 
その瞬間、彼らが目にしたものは・・・。

(2003/カナダ・日本) ★★★☆

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「いなくなってしまえ!」 「消えてしまえ!」

本当に願いが叶ったら、世界はどうなるのだろう? 

突然、そんな世界に迷い込んだデイブとアンドリュー。 でも、何故?

「CUBE」でも そうだったように、答えは出ずに【NOTHING】の世界をひたすらぐるぐる・・・。 

CGの使い方も「リアル」と言うより「ペイント」っぽくて、ポップでコミカルな仕上がり。 音楽もキュート!(笑) 

モノで溢れかえった家の中と、何もなくなった【NOTHING】の世界。 スクリーンの使い方も面白かったし、独特の空間の美学があるよね。

「トーフのよう」と言われた【NOTHING】の床?地面?を歩いてみたい。 トランポリンみたいに飛び跳ねて、なんだか楽しそうだった~。 

それでも腹は減るし、怒りもわく。 【NOTHING】の力で「空腹」まで消してしまうのは面白かったです。 

けれど、「食欲」を消したところで 身体を動かすにはエネルギーが必要だし・・・などと真剣に見てはいけない映画なのだと途中で気付きました(笑)。

あまりのバカバカしさに失笑・・・かと思えば、シリアスな展開も見せ、緩急のつけ方が上手かったです。 

対人恐怖症で外出恐怖症で、ゴミ出しも出来ないアンドリューが最初からツボだったんですけど、見違えるような変貌を遂げます。 

オドオドキョドキョド、甲高い声で悲鳴のように話す、小心者の、あのアンドリューがねぇ・・・、まさか、あんな風になるとはねぇ・・・。

いけ好かない、お調子者として登場したデイブも、だんだん友達思いのいい奴に見えてきたりする。 

そんな2人の関係の変化や、変貌も見所。 

あそこまで無くさないと、大事なことに気付けない2人は、やっぱり、ちょっと、どうしようもないけど(笑)。 

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2006年5月 2日 (火)

ニュー・ワールド

New_world コリン・ファレルは濃ゆい顔が、ちょっと苦手(ファンの方、スミマセン)。

でも、テレンス・マリック監督の作品なので、是非とも「劇場」で観たかった!

■あらすじ■

1607年、アメリカ大陸に上陸したイギリス人一行は砦を築き、先住民のネイティブ・アメリカンとの交渉にジョン・スミス(コリン・ファレル)を向わせる。

しかしスミスはネイティブに捕らえられ、処刑されようとしたその時、族長の娘ポカホンタス(クオリアンカ・キルヒャー)がスミスの命乞いをする。 

2人は、たちまち恋に落ちる。 しかし、族長は春になったらイギリスに返ることを条件に、スミスを解放。 2人は離れ離れになってしまう。

(2005/アメリカ) ★★★★

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ディズニーの「ポカホンタス」も見ていなし、ポカホンタスが実在の人物だということをこの映画で知りました。  

前作の「シン・レッド・ライン」は直射日光の下、息づく自然に飲み込まれそうな兵士達や、強い色彩のコントラストが美しくて目を見張ったのですが、

今回は曇り空が多くて、中間色の淡い色彩に黒く浮かび上がる人物模様が印象的。

そこに重なる心のつぶやき。

史実に基づいた話だけど、詩的な言葉が映画の中を流れて、スクリーンをたゆたいながら観ているのが気持ちよかったです。  

ラストシーン近く、イギリスの庭園で伸び伸びと子供の時のように駆け回るポカホンタス(レベッカ)の姿には、思わず心が揺さぶられてしまいました。

ポカホンタスが得たもの、失ったもの、変わってしまったもの、変わらずにあるもの…。

一度、手放したものは、元に戻らない。 

彼女が帰りたがった「故郷」は もう存在していなくて、あるのは刻々と大地を刻まれるばかりの「新大陸=ニュー・ワールド」。 

「家=ホーム」に辿り着くことなく、彼女にとっての「新しい世界=ニュー・ワールド」で亡くなったというのが哀しい。 

映画館を後にして、ふと冷静になったときにコリン・ファレルが演じたスミスって何者だったんだろうと疑問がわきました。 

激情型で、野生児っぽいイメージがそのまま役と重なって、観ている間は気にならなかったんですけど・・・後から考えると、酷い人だよねって・・・(笑)。 

与えるだけ与えて、逃げ出してしまうスミスはずるいです。  

そんなスミスの初登場シーンは檻に入れられていて、反乱罪? 食べ物を独り占めした? 何故、捕らえられているのかイマイチ分からなかったです・・・。 何をしたんだ。 

コリン・ファレルの退場と入れ替わって、登場するのは英国紳士ジョン・ロルフ(クリスチャン・ベール)。 

かなり格好良くて、全然興味のなかった「バットマン ビギンズ」も見てみようかなって気になるほどでした(笑)。 

穏やかに注がれる愛情、陽だまりのような暖かさ。 そんなロルフがポカホンタスの側にいてくれて良かった。

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2006年5月 1日 (月)

好きだ、

Sukida 土手と、空と、あおいちゃん。

言葉は少ないけれど、切り取られた風景が、映し出された表情が、その場の空気を映してる。 

とてもリリカルな映画。

■あらすじ■

17歳のユウ(宮崎あおい)とヨースケ(瑛太)。 
お互いが相手に対して好意を持っているのにもかかわらず、「好きだ、」の一言を言えない二人。

二人の感情は、近づき、もつれ、すれちがい、また惹かれ・・・。

ある哀しい出来事に行き着き、断ち切れてしまう。

それから17年。 
34歳のヨースケ(西島秀俊)とユウ(永作博美)は東京で偶然に再会する・・・。

(2005/日本) ★★★★

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言葉でしか、伝えられないから 

言いたい。 悟られたくない。 けど、知って欲しい。 

もがいて、傷つけて、それでも側にいたくて、深く想いが沈殿する。

言葉では、上手く伝えられないから 

触れる。 突き放す。 そっと、近づく。

2人の距離は、心の距離。 
不器用に振舞うことしか出来ない。  

何かを伝える術をまだ知らなくて、

重ならない心に、胸を痛めた。

そうして、「特別」な場所にしまいこんで ぽかりと宙に浮いたまま、17年。 

まだ、覚えてる。 

胸の痛みも、あのドキドキも。

また最初から、不器用に始めるんだ。 

恋する気持ちが、誰かを愛おしく想う気持ちが、スクリーンから溢れて、

映画を見終えた時、ゆるゆると幸福感に包まれた。 

もう、あんな気持ちは取り戻せないかも・・・。

恋はいいよな~。 
恋愛は面倒くさいけど。(重症)

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