やさしくキスをして
ケン・ローチ監督の作品を見るのは、「KES/ケス」「SWEET SIXTEEN」に続いてまだ3本目。
■あらすじ■
スコットランドのグラスゴー。 カソリックの高校で音楽を教えているロシーンは、聡明で自分の意思を持った女性。
ある日彼女は、教え子の兄でクラブDJとして働く、パキスタン移民二世のカシムと知り合う。
2人はすぐに深く愛し合うようになるが、カシムは親の決めた婚約者、従姉妹のジャスミンとの結婚が数週間後に控えていた。
また、ロシーンも厳しいカソリックの教えのもとで、カシムとの事が原因で仕事を追われることになる。
(2004/イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン) ★★★
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この映画での2人の障害は「異教徒であること」だけど、「国籍」、「人種」、「肌の違い」、「言葉の違い」、「差別」、「偏見」・・・なんだって当てはまりそう。
いくら国際化が進んでいるとは言え、「宗教」は信仰の自由が保障されているから超えるのは大変そう・・・。
この前見た「ぼくの国、パパの国」でも、イスラム教徒の結婚についてが描かれていたから、親が勝手に決めた許婚の存在には驚かないけど、
時代に合わなくなってきているのでしょう。 だから、世代間で摩擦が起きる。
イスラム教徒同士の結婚によりイスラムの団結力を高めて、そうやって支え合って暮らしてきたのも分かるし、自分達の文化を守ろうと言う思いも理解できる。
だから、そこでは個人の幸せが 家族の幸せの上に成り立たない。
家族の幸せあってこその、個人の幸せなのだ。
やっぱり すごく難しい問題を突きつけられていると思う。
誰かを傷つけないと一緒になれない・・・。 それを「幸せ」と呼べるのか?
カシムの苦悩は私の理解をはるかに超えて、そのラストが「BEST」なのか分からない。
分からないけど、かすかな望みを次女のタハラに見た気がする。
「私は、色んな文化のミックスよ!」
自身の出身を恥じることなく、高らかに宣言する。
世界を知り、吸収した彼女は、どんな女性になってゆくのだろう。
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