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2006年8月 5日 (土)

アリス

Alice 豊かなイマジネーションと毒気を孕んだ幻想。

ヤン・シュヴァンクマイエル監督が「不思議に国のアリス」にインスパイアされて作った、実写と人形が融合した作品。

■あらすじ■

アリスが部屋で一人で遊んでいると、ガラスケースに入れられたウサギの人形が動き出す。
「大変だ。遅刻してしまう!」
ウサギは叫んで、机の引き出しの中に飛び込む。
それを見ていたアリスは、ウサギを追いかけて引き出しの中に・・・。

(1988/スイス) ★★★★☆

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この作品との出会いは、数年前のCDショップ。 
そこで小さなモニターに映し出されていた あまりに不気味な映像に、目が釘付けになってしまった。 
しばらく動かずにじっと魅入ってしまったけど全部鑑賞するわけにもいかず、
心に深く刻んだままショップを後にして、ようやく鑑賞する機会に恵まれました!

「不思議の国のアリス」が好きな人も、まだ読んだことがない人も、楽しめる作品だと思うけど 好き嫌いはハッキリ分かれそう。
可愛くないもの、グロテスクなもの、自分の価値観以外は認められない人には向きません(笑)。

アリスだけが実際の子供が演じていて、とても可愛らしいです。
時々、射すくむ視線がこわくて、子供の邪気を垣間見た気になるけど。

そんなアリス以外の登場人物は、不格好な人形たち。
時計を持った白ウサギはギョロ目で出っ歯だし、人形アリスもちょっと不気味だし、
率直に言って、そんなに可愛くないと思う(笑)。 
でもね、愛らしいのですよ~。

ショップで目にした時は、この映画にただならぬ不穏な空気を感じたけど、
オープニングから鑑賞した今回は、ストーリーが「不思議の国のアリス」に ほぼ忠実だったので、怖いことは何も起こらないって安心して見ていられました。

白ウサギ、三月兎と帽子屋、トランプのハートの女王、、、
子供の時に読んだ時はストーリーよりも出てくるキャラクターに魅せられていた「不思議の国のアリス」。
身体が伸びたり縮んだり、赤ちゃん豚やフラミンゴのクリケット。。。
大人になってから読み返したら、これはナンセンス小説なんだと気づいて、ようやくその面白さを理解しました。

ルイス・キャロルが教え子のアリスのために書いたのが「不思議の国のアリス」なら
この作品はアリスが私たちに見せてくれる、アリス自身の世界。
アリスの中では不思議なことなんて何も起こらないのだ。
だから映画を見るために目を閉じろと言う。
目を閉じないと何も見えない。
それは、現実を忘れて、常識に捕らわれるのやめること。

アリスは無邪気な好奇心で次々と扉を開けていく。

そして、アリスの口から語られる動物たちのセリフは、それがアリスが発した言葉でもあることを裏付ける。
大写しにされた口元から、アリスがどんな表情をしているのかは分からないけど、 
分からないからこそ、そのとき自分が感じたことをアリスに投影できるのだ。

本当は誰の中にでもある世界なんだよね。。。

ワニの蘇生シーンが好きです。

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