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2006年8月18日 (金)

ブエノスアイレスの夜

Vidas_privadas セクシーな声の持ち主っているよね。

アラン・リックマンの声とか渋くて好きだな。
ポール・ベタニーのちょっと鼻にかかる声も好きだよ。
ブリティッシュ・イングリッシュのイントーネションって、キュートに聞こえて好きなのかもしれない!

そんな“声”のフェロモンについての映画かと思っていたのですが・・・
予想外の方向に物語は進んで行ったよ。

■あらすじ■

20年ぶりにブエノスアイレスに帰国したカルメン(セシリア・ロス)は、受話器越しに偶然聞いた若い青年グスタボ(ガエル・ガルシア・ベルナル)の声に、心が震える。

カルメンは、あるトラウマから人と肌を合わせられず、聴覚だけが異常に敏感になっていた。
そのため、アパートを借りて隣室にカップルを呼び、他人の愛の営みを聞くことで自分の性欲を満たしている。

早速、カルメンはアパートの隣室にグスタボを呼ぶ。
顔を合わせることなく“声”だけの関係の2人だが、無性に惹かれあってしまい・・・。

(2001/アルゼンチン・スペイン) ★★

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カルメンの性癖に、まずビックリ。 
カメラも明け透けにそれを描写するから「官能的」には程遠かったです。
私はかなり引きました(笑)。

「ピアニスト」を思い出してしまって比べながら見てたんだけど、「ピアニスト」のエリカの方がはるかに衝撃的ではありました。

カルメンが満たす性欲の道具が「あえぎ声」とか「卑猥な本」とか、そのまんまじゃん!って感じなので、“声”に欲情しているのか“卑猥な言葉”に欲情しているのか、、、って両方なんでしょうけど(笑)
個人的には“声”ってモチーフをもう少しひねって見せて欲しかったです。

ところが、話はそんなカルメンの性癖で終わらなかった。
何故、人と肌を合わせることが出来ないのか。 
カルメンのトラウマに踏み込み、果てはグスタボとの因果に帰結していく。

世事に疎いので、収容所って言われてもピンと来なかったんだけど、アルゼンチンの歴史的事件を知っている人は思い当たるかも。

収容所での暴行。
その過去を知る医者の存在。 
顔も知らないカルメンに惹かれてゆく若い男・グスタボ。

随所にこの映画を紡ぐための布石を用意しているんだけど、用意周到に過ぎるところが映画の深みを損なっているようにも感じました。
カルメンとグスタボの関係も、ラストのグスタボの行為も、前もって予感がする。

そうしてギリシャ神話のオイディプス王の悲劇みたいに、グスタボは背負わなくてもいい罪を背負うことになる。

そんな全てを肯定するカルメンは強いと思うけど、いろんな感情が渦巻いているうちに裁定が下されてしまって、かなり呆気ない幕切れでした。

しかしなぁ~、
顔も知らないのに、カルメンに惹かれていくグスタボって分からないよ。
無性に惹かれあってしまう因果だったのは そうなんだろうけど、それでも説得力に乏しい気が・・・。

過去を知る医者も、
壮絶な体験をしたもの同志の共鳴はあるだろうけど、カルメンを想っているって言うより、この人にとってもトラウマになっている気がする。 

カルメンの秘密を暴いてゆく妹が妊娠中という設定にも、この監督のメッセージがあるように感じたんですけど、全体的に中途半端なまま終わってしまった印象が残りました。

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