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2006年10月27日 (金)

ヨコハマメリー

Yokohama_mary 生きて伝説になった人。

■あらすじ■

歌舞伎役者のように顔を白く塗り、貴族のようなドレスを着て横浜の街角に立ち続けた老女“ハマのメリーさん”。
終戦直後から50年近く、背骨が曲がっても娼婦として生きてきた彼女の存在は、いつしか横浜の街の風景の一部となっていた。

しかし、1995年の冬、メリーさんは忽然と姿を消した。

彼女の存在がいつしか都市伝説と化す中、深い交流のあったシャンソン歌手・永登元次郎は、メリーさんに会いたいと思いを募らせていく。

(2005/日本) ★★★★☆

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これがデビュー作になる中村高寛監督(30歳)のドキュメンタリー。

“メリーさん”と呼ばれた娼婦がいたことも、そんな都市伝説も知らず、この映画でメリーさんのことを知ったのですが、好奇心や興味本位な気持ちがあったのは事実。

しかし、ドキュメンタリー映画だし、さぞかし退屈な映画なんじゃないかと思っていました。
これが、予想に反してとてもいい映画だったんだよね。
愛に溢れていました。

白いドレスを身にまとい、白塗りをしたメリーさんは「オバケ」と呼ばれたりもして、見る人の興味をかき立てるけど、映画は“メリーさん”自身にフォーカスを当てるのではなく、メリーさんに縁のある人たちのインタビューから迫ってゆく。

1995年以降のメリーさんが消えてしまった世界。
そこに、インタビューを重ねて証言が集まってくると、いままで謎だった“メリーさん”の姿が浮かんだくる。

女だとか娼婦だとかを飛び越えて、メリーさんは“メリーさん”だった。

面白いのは誰が“メリーさん”と呼び始めたのかは、ハッキリしないこと。
その昔、若き頃は「皇后陛下」。
そして、「キンキラさん」。

一体、誰が「メリーさん」って呼び出したのだろう。

噂が一人歩きをしている。
けれど、それでいいのかもしれない。
“メリーさん”は確かに存在してた。 そして、噂話によって生き続ける。

この映画も“メリーさん”の噂話に一足買ってくれるでしょう。
そしていくつかの疑問の答えを見つけられるかも。

けれど全ての答えが、この映画の中にあるわけじゃない。

メリーさんを知った以上、忘れることは出来ないし、記憶の中に留まり続ける。

5年の歳月をかけて撮影されたこの映画は、2004年に亡くなられた3名に捧げられています。
その中には、映画の中で必要不可欠な存在だった永登元次郎氏がいらっしゃいます。

そして、メリーさんも2005年 1月17日に亡くなられたそうです。
享年84歳。

まさに、この映画が成立するギリギリの時間に撮影された、奇跡のような記録映画なのだと思います。

★後日、中村監督のトークショーに行って来たので、その時の記事も参考までに・・・→【リポート

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