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2006年10月 2日 (月)

レオポルド・ブルームへの手紙

Leo 君に届けたい手紙がある。
君に聞かせたい物語がある。

聴いてくれるかい?

■あらすじ■

ミシシッピー州の刑務所から、ひとりの男が刑期を終えて出てくる。
彼の名はスティーヴン(ジョセフ・ファインズ)。
無口で、物静かな彼の心の支えは、少年レオポルド・ブルームに手紙を書くことだった。

大学教授の妻メアリー(エリザベス・シュー)は、ある日、友人から夫の浮気をほのめかされて疑心暗鬼に陥り、塗装工の青年と関係を持ってしまう。
その後、夫の潔白も判明し2人目の子供を授かるが、事故で夫と娘をいっぺんに亡くしてしまう。
罪悪感に駆られたメアリーは、生まれてきた息子レオポルドに対して素直に愛情を注ぐことが出来ずにいた。

ある日、学校の課題に手紙の作文を与えられた少年レオポルド(デイヴィス・スウェット)は、見知らぬ囚人に宛て手紙を書くことにする。

(2002/アメリカ・イギリス) ★★★★

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少年レオポルド・ブルームの名前は、母メアリーがジェイムズ・ジョイス著「ユリシーズ」から取ってつけたもの。
映画の着想も「ユリシーズ」から得ているそうですよ。
読んだことないけど。。。

それでも、なかなか面白かった!
塀の中の囚人と少年が手紙をやり取りする映画だと思っていたので、イメージとかなり違ってました(笑)。

それに、カメラアングルや映像の美的センスがかなり私好み。
シンメトリーの構図、情緒的でもありクリアな映像。

ストーリーの構成も凝っているので、始めは話の内容がつかめないんだけど、だんだんと点と点がつながり線になってゆく。

「僕の人生は僕が生まれる前に始まった。 僕は母さんの罪の烙印。」

母親から愛されずに疎まれていると感じているレオポルドが、見知らぬ囚人に宛て書いた手紙。
その手紙を受け取り、彼を自分とは違う方向へ導きたいと返事を書き続けるスティーヴン。

「お母さんは、心のどこかで君のことを愛している。」

スティーヴンは、レオポルドのために物語を書き綴る。
そうして、物語の事の次第が判明するにつれ、スティーヴンが犯した罪も明らかにされる。

30代のジョセフ・ファインズに18歳を演じさせたのは、かなりの無理がありましたが、頭を丸めて元囚人を演じたジョセフは、いつものフェロモンムンムンなイメージと違って、静謐でミステリアス。
でも、どことなく色香が漂っていて良かったです。

説明を一切排除して、ストーリー構成だけで映画を語る手腕は見事でしたが、ラスト・シークエンスに「?」になってしまう人もいそうですね(笑)。

物を書く作業って、誰かに自分のことを知ってもらうことであり、
自分自身を知ることでもある気がします。

スティーヴンは自らが書き綴った物語を届けるべきレオポルドを見つけたことで、ようやく完成させることが出来たのでしょう。

全てを受け入れ、生まれ変わるためへのプロセス。

そうして第一歩を、ミシシッピ河から歩き出す。

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