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2006年11月 6日 (月)

手紙

Tegami 心のつながり、血のつながり。

■あらすじ■

川崎のリサイクル工場で働く青年、武島直貴(山田孝之)。
積極的に話しかけてくる食堂の配膳係・由美子(沢尻エリカ)とも打ち解けることなく、人目を避けて生きる彼にはある秘密があった。
兄・剛志(玉山鉄二)は、弟を大学に行かせるため学費欲しさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまったのだ。

無期懲役で服役している剛志からは毎月手紙が届いていた。
しかし、それが元でリサイクル工場でも兄のことが明るみとなると、直貴は工場を後にする。
やがて、大好きなお笑いでプロになる夢を抱き、徐々に頭角を現していく直貴だったが・・・。

(2006年/日本) ★★★

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先月末に原作本を読んだばかりなので、原作のイメージがまだ強く残っているのですが、
由実子役(映画では由美子)に沢尻エリカと言うのは違和感があったので、なるべく原作のイメージを脇に置いて鑑賞しました。

結果だけを言えば、“悪くない”出来でした。
わりと原作に沿った作りになっていたし。←結局、比べてる(笑)

でも、主人公の直貴の追い詰められ方がちょっと弱いかな。
追い込まれる前に、自分から降りちゃうんだもの。

お笑い芸人としてTVに出たことでネットに“兄貴”のことが書かれてしまうあたりは、もっとバッシングにあったりするのかと思いました。
コンビ解消の原因も、マスコミに詮索されそうなものだけど、新人だから追いかけられなかったのかな?

細かいところで気になる部分はあったけど、全体的には及第点。
映画のほうが良かったところもあったし!

例えば、由美子が“手紙”に執着する理由。
原作では一家離散しか分からなくて、少し腑に落ちなかったけど、映画では納得できる理由が付いてました。

それから、平野会長の言葉。
原作を読んだ時は「差別は当然」の文字に衝撃を受け、感動どころじゃなかったけれど、杉浦直樹さんの口から言われると素直に聞くことが出来た。

「差別のない国を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ」

なかなか、いいセリフでした。

そして、ラストシーンも映画のほうが良かったです。
原作は、読み終わって心が重くなってしまったんだけど、映画は心を軽くしてくれました。

だけどさ、原作でも映画でも“答え”は出ないんだよね。
“答え”なんてないのかもしれないけど、逃げてもあがいても、立ち向かっても、どうしようもないことに、どうしたらいいのだろう。

血のつながりを絶つなんて、出来ないものね。
絶縁したって、同じ血が流れていることに変わりはないし、
まして生まれながらに“人殺し”の血が流れていることを、子供はどう理解すればいいのか。

不公平を嘆いても仕方ないし、最後には全てを受け入れ歩いてゆくしかないのだろうけど。。。

傍観者として見るにはそれで一段落だけど、当事者や身近にそういう人がいる場合は、もっと苦悩が大きいだろうなぁ。

だから、原作でも映画でも“由美子”の存在は大きかった。
困難な時に支えてくれる人がいること。
それだけで、どれだけ救われるか・・・。

由美子の存在がなかったら、全く違った物語になっていただろうな。

果たして、世の中にどれだけ由美子のように寄り添える人がいるのか分からないけど、
そういう私も、いざと言う時に彼女のように振舞えるだろうかと、考え込んでしまいました。

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