ダウン・イン・ザ・バレー
■あらすじ■
ロサンゼルス郊外の住宅地、サンフェルナンド・バレー。
17歳の少女トーブ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は、厳格な刑務官の父ウェイド(デヴィッド・モース)と13歳の弟ロニー(ロリー・カルキン)との3人暮らし。
何もない退屈な日々にうんざりしていた彼女はある日、ガソリンスタンドでカウボーイ気取りの風変わりな店員ハーレン(エドワード・ノートン)と出会い、彼を海へ誘う。
そして瞬く間にハーレンのミステリアスな魅力に心奪われるトーブ。
一方のハーレンも、清冽で純粋な彼女に惹かれていく。
しかし2人の関係が深まる一方で、ハーレンの時に常識を踏み外す行動が、思いもしない事件を引き起こしてしまう・・・。
(2005/アメリカ) ★★★
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17歳。
父親を煙たく思うし、親離れもしたい。
毎日が代わり映えなく退屈で、何かが始まるのを待っている。
そこに現れた風変わりな男。
少女は男に夢中になる。。。
え、ちょっと待った!
ハーレンがトーブに夢中になるのは、まぁ分かる。
あんな可愛い子にアプローチされたら参っちゃうよね。
でも、トーブがハーレンに夢中になるのは説得力に乏しいです。
申し訳ないが、ハーレン役のエドワード・ノートンにそこまでの魅力を感じなかったのです。
そもそもハーレンと言う役がどこか胡散臭い感じがする。
ハーレンは、都会に来たカウボーイではなく、都会にいるカウボーイ気取りの男。
周囲と馴染めず、上手く立ち回ることも出来ず、どこにいても浮いてしまう。
異質の存在であることを自らアピールするかのように、カウボーイ装いを身にまとっている。
最初は、トーブの少女から大人への脱皮を描いた映画なのかと思いました。
次第にハーレンに映画の重点が置かれるにつれ、主人公はどこにも居場所のないハーレンだったのだと分かる。
孤独なハーレンが暴走していく様は、なんとも姑息で卑怯。
幻滅さえも覚えます。
だから、知らない男に手を出しちゃいけないんだよ、お嬢さん。
しかし、気付くには遅すぎたのだ。
事件は突然起こり、歯車が狂い始める。
ハーレンが住宅街をパカパカと馬に乗って逃亡するのは目立ちすぎて、笑うに笑えない。
本気でカウボーイを気取っているのも、(失礼だけど)ちょっとバカバカしいです。
それなのに最後まで緊張感が続いたのは、追ってくる父親の剣幕がすごいから。
もしかして・・・
不吉な予感を抱いてしまったのです。
ハーレンがロニーに銃の使い方を教えるシーンがあったので、ロニーが銃を持つ展開になるのかもしれないと・・・。
そして標的は・・・。
しかしそれは杞憂でしたね(笑)。
最後はトーブの存在よりもロニーが前面に出てきたので、ナイーブな少年が殻を破るのかとも思いましたが、一番強く印象に残ったのは父親の絶対的な愛情でした。
それに、「よそ者に近づくな!」という父の教えは正しかった(笑)。
たまには父親の言うことも聞くものですね。
そういえば、この年齢になるとカルキン兄弟は次から次とスクリーンに現れて消費されていきますね。
重宝されてそうではありますが(笑)。
この映画に出ているローリーが“カルキン7兄姉弟妹”の末っ子です。
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