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2006年12月12日 (火)

敬愛なるベートーヴェン

Copying_beethoven ベートーヴェンと言えば“第九”!
“第九”と言えば、ベートーヴェン。

“第九”初演奏までの4日間と、その後の物語・・・。

■あらすじ■

1824年ウィーン。
“第九”の初演を4日後に控え、未だ合唱パートが完成していないベートーヴェン(エド・ハリス)のもとに、作曲家を志す若き女性アンナ(ダイアン・クルーガー)がコピスト〈写譜師〉として送り込まれる。

女性のコピストが現われたことに激怒するベートーヴェンだったが、やがて彼女の才能を認め、写譜の仕事を任せるようになる。

そして、ついに迎えた“第九”初演の日。
難聴のため指揮棒を振ることに怯えていたベートーヴェンだったが、アンナに励まされ指揮台に立つと、彼女の合図を頼りに指揮をやり遂げる。

(2006/イギリス・ハンガリー) ★★☆

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音楽室に飾ってある、イカつい顔したベートーヴェンの肖像。
クラシックに疎い私でさえも、およそ想像できる、威圧的で気難し屋のベートーヴェン。
聴力が落ち、耳が不自由になった彼は、さらに孤独でもあった。

身体を病魔に蝕まれ、最後の集大成とも言うべき“第九”を完成させる間際に、
突如現れた若き女性コピストのアンナ。
ベートーヴェンはそこに、神の啓示のようなものを感じるけれど、偏屈な彼はぶっきらぼうにしか対応できない。

不潔で口汚いベートーヴェンを厭いながらも、その才能を尊敬しているアンナ。
アンナが自分を恐れず、楽曲を深く理解していることに気付くベートーヴェン。

2人はやがて、ソウルメイトのような関係になるのだけど・・・

“第九”初演奏がラストシーンであれば、かなり感動的で高揚感も得られたまま、劇場を後にできたと思う。

映画はずるずるとその後のエピソードを紡ぎ、ベートーヴェンとアンナの隔たりを大きくしているかのようでした。

特に困惑してしまったのが、ベートーヴェンがアンナに「体を洗ってくれ」と頼むシーンです。

ベートーヴェンはアンナの存在を必要不可欠としていて、今まで身にまとい防衛していた汚れた気持ちをアンナに洗いさって欲しかったのでしょう。
はだけた胸を大きく開いたベートーヴェンは、心を開いているようにも見える。

けれど、アンナの方はと言うと・・・困惑の表情。
そこに、ベートーヴェンに触れることへの歓びは現れない。

2人の相違がありありと表出していて、これは何を意図してなのかと戸惑ってしまいました。

紆余曲折がありつつも、オープニングシーンの師弟愛に完結するのだから、やはり2人の心には共通するものがあったのでしょうが、
最後は煙に巻かれたように掴みどころがなかったです。

ベートーヴェンが溺愛している甥っ子のエピソードも、ベートーヴェンの孤独を強調していただけで、消化不良でした。

最後に・・・
アンナは架空のキャラクターだそうですが、
“第九”初演奏の時に、耳の聞こえないベートーヴェンを補佐するため、彼の隣で指揮をしていた人物がいたそうです。

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コメント

こんにちは、私もようやく見ましたよ!なんか想像していたとおりの
ベートーヴェンで嬉しかった。
音楽室に飾られている肖像画の中でもひときわ目立つし誰が
みてもベートーヴェンにしか見えないですよね、エド・ハリス
演じる彼がすぐにベートーヴェンに見えました(^^;
アンナを演じたダイアン・クルーガーさんも凄く素敵でしたね
第九初演のシーンは感動でしたフルオーケストラで最後まで演奏してくれたし
大フーガなんて素晴らしい曲に聞こえるのにみんな立ち去るもんだから
私のセンスが悪いのか?と心配したんですがラストで後生の音楽家
達に多大な影響を与えたとあったのでほっとしました

投稿: せつら | 2007年12月 3日 (月) 12時03分

>せつらさん

こんばんは!
コメントありがとうございます。

エド・ハリスは熱演でしたよね!
私はちょっと、エド・ハリスじゃ男前過ぎるというか、無骨さが足りないな~って感じたんですが、
せつらさんはご自身のベートーヴェン像と合致していたんですね!
記事を拝見しましたが、映画にとても満足されているのが伝わってきました(^-^)

私は、上手くこの映画の意図を汲み取れなくて、消化不良のまま劇場を後にしました。。。
第九のシーンは本当に素晴らしかったんですけどね・・・。
なんか、そこだけでした。

全然違う映画なのに、どこかで「アマデウス」と比べてしまったりもして・・・。

ダイアン・クルーガーは元モデルさんなだけあって、スタイルも良くて美しいですよね~。
たしかドイツ出身だったと思うのですが、ハリウッド女優やイギリス人女優の方とは違う雰囲気を持っていて、いいなって思います!

投稿: 双葉 | 2007年12月 4日 (火) 01時31分

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