ダーウィンの悪夢
■あらすじ■
淡水湖では世界第2位の大きさを誇るアフリカのヴィクトリア湖。
かつて、そこでは多様な生物が棲み「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるほどの生態系の宝庫だった。
しかし半世紀ほど前に放流された外来魚ナイルパーチが、他の魚を駆逐していき状況は一変した。
湖畔では、ナイルパーチの一大漁業産業が発展。
加工された魚は、毎日のように飛行機でヨーロッパへ運ばれていく。
だがその影で、湖畔に住む人々に悪夢のような影響を与え始める・・・。
(2004/オーストリア・ベルギー・フランス) ★★★★
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観終わると、たはーっと、大きなため息ひとつ、こぼれた。
知らなかった世界の出来事。
しかしそれは、私たちとまるで無関係と言うわけじゃない。
数年前は「白スズキ」という名前で流通していた、白身魚の切り身。
それが「ナイルパーチ」。
今でも、お弁当や給食、レストランなどの外食産業で使用されている魚。
日本は、EUについで2番目のナイルパーチ輸出のお得意様なのだそうだ。
その産地で起きている現実。
食べる時に、食品の産地やそこでの現実に思いを寄せたりはしない。
でも、知るべきだったんじゃないか?
知ってしまった以上、そのことを忘れて無かった事には出来ない。
映画のねらいは、まさにコレなのでしょう。。。
ドキュメンタリーとしては、なんだか雑な印象も受けた前半でした。
ただ、「タンザニア、ヴィクトリア湖」と言う舞台だけを説明されて、
魚肉加工施設や、飛行機のパイロット、夜警の警備員、売春婦、ストリート・チルドレン、漁師…たちのインタビューをブツブツつないでゆく。
それも、各々の結論や主張、鑑賞者の感情の方向性を決定付けないまま、ブツリブツリ切れてしまうのです。
ちょっと、眠くなってしまいました。
しかし、一通り登場人物が紹介され、その地域の現状が判ってくると、再度インタビューの続きが始まる。
つまりは、インタビューが2順するのだ。
本質に迫る後半から、ぐいぐい見入って(聞き入って?)しまいました。
特に、「トラック」が登場してからですね。
すごいです。
加工されて捨てられる魚の“あら”。
それを、ある場所に運んでゆくトラック。
廃棄されるのではなく、これからまた、現地の人たちの“食べ物”として加工されるのだ。
言葉は悪いけど、残飯を食べる。
そんな言葉の印象すらも、はるかに凌駕する映像。
言葉を失います。
そして、弱肉強食のシステムは、弱いものばかりにしわ寄せがきてしまう。
子供たちは、空腹と暴力、恐怖にさらされ、自分の身は自分で守るしかない。
そんな中、眠るために取る子供たちの行動に胸を衝かれます。
そこまでしないといけないなんて。
漁業研究施設の夜警をしているラファエルは、「みんな戦争を望んでいる」という。
みんな? 戦争?
あまりに物騒なことを突然、言い出す。
“みんな”とは言いすぎだろう、とも思う。
けれど、このままヴィクトリア湖の環境破壊が進み、いつかナイルパーチさえもいなくなった時、ここに何が残るのだろう?
あふれる不満。 貧困にあえぐ、路上の人々。
軍に入りたいと、思う人は多いのかもしれない。
兵士になること=食事の確保だから。
そして、ナイルパーチを輸送する飛行機を隠れ蓑にした武器密輸に関する疑惑・・・。
重い、重~い、現実を見せつけられて、洞穴のような映画館から出ると、
そこは、まばゆい光の電飾と、あま~い匂いが漂う世界。
なにかが間違っている!
なにが間違っているのか分からないけど、あまりにも違いすぎる現実に、心が対応できず放心状態に陥った。
闇の中で見つめた現実と、私がこれから生きてく世界のギャップ。
その折り合いを見つけようと鈍い頭を動かしてみる。。。
けれど出てきた答えは、無理して折り合いなんかつけなくていい。
どうしたらいいのか分からないけど、
この先 私は、折に触れ、この映画のことを思い出すことになるのだろう。
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投稿: 日本インターネット映画大賞 | 2006年12月30日 (土) 16時13分