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2006年12月11日 (月)

硫黄島からの手紙

Letters_from_iwo_jima父親たちの星条旗」に続く、硫黄島2部作の第2弾。

■あらすじ■

戦況が悪化の一途をたどる1944年6月。
日本軍の最重要拠点である硫黄島に新たな指揮官、栗林忠道中将(渡辺謙)が降り立つ。

アメリカ留学の経験を持つ栗林は、無意味な精神論が幅を利かせていた軍の体質を改め、
着任早々、栗林は本土防衛の最期の砦である硫黄島を死守すべく、島中にトンネルを張り巡らせ、地下要塞を築き上げる。

そんな栗林の登場に、硫黄島での日々に絶望していた西郷(二宮和也)ら兵士たちは希望を見出す。
だが、一方で古参の将校たちの間で反発が高まる・・・。

(2006/アメリカ) ★★★★☆

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この映画の鑑賞前日に、栗林中将が硫黄島から家族に書き送った手紙を本にした「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」をざっくり読みました。
その中にあった手紙の文言が、そのまま本編でも使用されていて感動しました。
手紙からは家族思いな人柄が滲み出ていて、とても軍国主義時代の軍人さんとは思えなかったです。

映画の中でも、たくさんの顔を栗林中将は見せます。

幼い娘を気遣う父親の顔。
大変な時代を生きていかなくてはならない妻を想う夫の顔。
大勢の命を預かる武官の顔。

水際作戦が常識的な中で、地下壕を掘るという奇抜な作戦を取り、
アメリカが5日で終わると思っていた戦いを、36日間にも引き延ばす。
優秀な指揮官の顔。

知れば知るほど、賛辞を贈りたくなってしまうけど、
映画はヒロイズムに陥ることなく、静かに栗林中将の一面を見せるに留めていました。
このあたりは、前作「父親たちの星条旗」で戦争にヒーローは存在しないというメッセージと通じますよね。

そんな栗林中将と対極にいる存在が、西郷。
普通のパン屋の主だったのに、戦争で戦地に駆り出される。
末端にいる一兵士の目を通して硫黄島の激戦を見るので、それは凄惨なものでした。

二宮クンは、なんだか“少年兵”みたいで、回想シーンでの“若旦那”とのギャップが気になりました。
若夫婦のパン屋ならいいけど、妻が裕木奈江だったので年の差がスクリーンにはっきり表れちゃってて、なんだか気の毒。。。

身重の妻を残して戦地に来た西郷は、最後まで生きる希望は捨てない。
玉砕を禁じた栗林中将も、それは戦力保持ということだけでは なかったと思います。

しかし、生きて捕虜の辱めを受けず・・・の時代。
名誉の自決、玉砕を望む声も出る。
それでも、映画は「死ぬな。 生きろ。」とメッセージを送っていました。

憲兵隊だった清水(加瀬亮)は、西郷によって考えを変え始める。

栗林中将に反発する伊藤中尉(中村獅童)は、いつも通り中村獅童だったけど、
バロン西こと、西竹一中佐(伊原剛志)が、目を惹きました。

バロン西は、実在の人物なんですね!
女にもてたであろう色男ぶりと、快活でどこか自由人な気風があって、伊原さんが好演してました。

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