イノセント・ボイス 12歳の戦場
■あらすじ■
1980年代、エルサルバドル。
内戦の勃発以来、政府軍と反政府ゲリラ(FMLN)との襲撃戦が、すぐ間近で日常茶飯事のように起きていた。
父親がアメリカに去って以来、一家の大黒柱となった11歳の少年チャバ(カルロス・パディジャ)も、恐怖や不安を押し隠して暮らしている。
そんな子供たちにとって、政府軍の兵士たちは恐怖の対象。
と言うのも、政府軍は集落や学校までトラックで乗りつけると、12歳を超えた少年たちを有無を言わさず連れ去り、兵士に仕立てて過酷な戦場へと送り出すのだった。
そして、ついにチャバも12歳の誕生日を迎え・・・。
(2004/メキシコ・アメリカ・プエルトリコ) ★★
-----------------------------
“少年兵”の問題は、現在でも存在しています。
特にアフリカでは人身売買も含めて、まだ問題の根が深いようですが、あまり日本では報道されていないような気がします。
かく言う私も、問題になっているってことくらいしか知りません。
そんな訳で、少年から見た徴兵の実態を描いた映画と言うので、関心を持って観ていたのですが・・・何故か、とてもイライラするのです。
原作は、13歳でアメリカに亡命したオスカー・トレスが綴った、自身のノン・フィクション。
だから、描かれていることは実話。。。
そして、それに心を痛めなければいけないのだろうけれど・・・。
前半の日常生活を営んでいる時に、突如、戦闘に巻き込まれるシーンでは、本当に身が竦む思いがしました。
まさに気が休まる暇が無い。
あれじゃあ、母親がチャバを心配して、口うるさく小言を言うのも当たり前ですよね。
自分の命を粗末にしないため、自分の命を自分で守るため、
外出禁止時間前に家に帰ることを約束させる。
けれども、遊びたい盛りのチャバは言いつけを守ることが出来ない。
こっぴどく母親に怒られるけど、このお母さんの怒りが痛いほど分かる。
チャバを失いたくないからこそ、いつも言い聞かせているんですよね。
それなのに、その後のチャバの行動は どんどん大胆になって、周りの人間を危うい立場に置く。
そこにイライラさせられました。
ハラハラさせられる分にはいいんですけど、チャバは 自ら渦中に飛び込むようなものなので、死んでも自業自得って感じなのです。
むしろ、他人までを危うい状況に置くのでタチが悪いかと。。。
内戦下にあっては子供らしさが失われ、早く大人になることを迫られるのかも知れませんが、チャバには“自制心”が足りないような気がします。
チャバを中心とした、その周辺の出来事しか描写されないので、内戦状況や少年兵の実態を知るには視野が狭すぎる作品かも。。。
いい映画なんでしょうけど、私の心には響いてきませんでした。
| 固定リンク
「DVD etc.」カテゴリの記事
- ブラッドウルフ(2009.05.18)
- 東京マーブルチョコレート(2009.02.27)
- ただ、君を愛してる(2009.02.26)
- フローズン・タイム(2008.12.26)
コメント