あなたになら言える秘密のこと
■あらすじ■
誰にも言えない秘密を抱えたハンナ(サラ・ポーリー)は、黙々と工場で働き、誰とも打ち解けようとしない。
その真面目すぎる働きぶりを上司に咎められ、強制的に休暇を取らされてしまう。
そうして、見知らぬ街を訪れたハンナは、ふとしたキッカケで油田掘削所の事故で火傷を負ったジョゼフ(ティム・ロビンス)の看護を請け負う。
一時的に視力を失ったジョゼフは、ハンナとの会話から彼女を知ろうとするが、ハンナは名前も過去も話そうとしない。
しかし、油田掘削所に残る風変わりな男たちと生活を共にするうち、ハンナは少しずつ笑顔を取り戻してゆく・・・。
(2005/スペイン) ★★★★
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「死ぬまでにしたい10のこと」と同じ イザベル・コイシェ監督、
サラ・ポーリー主演。
ちなみに製作も同じく、ペドロ・アルモドバル。
「死ぬまでにしたい10のこと」は、あまり好きじゃなかったので、
今回は“どうかな?”って思っていたのですが、なかなかいい作品でした。
重いですけど。
オープニングから独特な雰囲気で、一気に映画の中に引き込まれてしまいました。
だれど、淡々と進むので、静かに見守るだけ。
ハンナの孤独な暮らしぶり。
そして海洋に浮かぶ油田掘削所。
隔離され、淋しげな場所に残された数人の男たち。
それぞれが孤独と向き合い、慰めあって暮らす。
料理長のサイモン(ハビエル・カマラ)。
海洋学者のマーティン(ダニエル・メイズ)。
機関士のスコット(ダニー・カニンガム)と、リアム(ディーン・レノックス・ケリー)。
言葉を交わし、影響を受けながらも、深くは踏み込まない。
映画はあくまでもハンナのスタンスで進みます。
ハンナは人とつながること、関わることを極端に避けるから、
せっかく知り合いになれても、結び目が出来る前にするりと抜けていってしまう。
どこか、もどかしくて頼りない。
そんなサラが、ジョゼフに秘密を打ち明けたのだから、彼には相当の信頼を寄せたのだと思います。
もっと最後までじらされると思っていたので、思っていたより早く秘密を打ち明けてくれた印象なのですが、
その告白シーンは、サラ・ポーリーの演技力をまじまじと感じさせられるものでした。
人は人を傷つけもするけど、
絶望の淵に沈みこんで、息が出来なくなるほど苦しくても、
人とのつながりで救われもする。
絶望的なラスト、救いのあるラスト。
結末は、どちらにも転がることが出来たと思います。
ややキレイすぎるかなとも思うけど、救われるラストだったのは希望が感じられて良かったです。
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