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2007年3月29日 (木)

バッテリー

Battery 白球に込められたもの。

■あらすじ■

中学校入学を目前に控えた春休み。
原田一家は、病弱な弟・青波(鎗田晟裕)の療養のため、岡山県の祖父(菅原文太)の元へと引っ越してくる。

青波の兄、原田巧(林遣都)は、少年野球の天才ピッチャー。
自分の才能に絶対的な自信を持ち、それゆえに他者を寄せ付けない孤独な一面を持っていた。
母親(天海祐希)も病弱な弟・青波を大切にするあまり、巧との間に微妙な距離を置いてしまう。

そんな巧の前に、同級生の永倉豪(山田健太)が現れる。
巧の才能に惚れ込んでいた豪は、巧とバッテリーを組むことに。

中学校にあがった2人は早速、野球部に入部するが、そこで待ち受けていたのは、監督・戸村(萩原聖人)による部員への徹底した管理と支配だった。

それでも、監督との衝突もいとわず自分を貫く巧は、次第に豪との絆を深めていくが・・・。

(2006/日本) ★★★★

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原作は、児童文学だからと侮れないくらいに面白いです!
文庫版で5巻まで読んだので、4/5発売の最終巻が今から楽しみ♪

小説を実写にするのは難しいものだけど、かなり良い出来ではないでしょうか。
巧と豪。
2人のバッテリーを中心に据えつつ、横軸もちゃんと展開されていて、特に巧と母親の関係がクローズ・アップされていました。 

原作では、じぃちゃんと母親の確執があったりして、周りにいる人にも焦点を当てているので、気になる人には是非、原作を読んでほしいです!
映画版はそこをバッサリ切って“巧と豪”に焦点を絞ってますが、映画として成功してると思います!

そんな2人のバッテリー、
巧も豪も、原作のイメージ通りで驚きました!
特に豪役の山田健太クンの笑顔には癒されるぅ~(笑)。
カワイイよね。

寡黙な巧役の林遣都クンも、キリリとした表情がスクリーンに映えて良かったです。
巧は、自分の気持ちを滅多に言葉で表現したりしないので、豪に自分のことを正直に話すシーンに重みが出てました。

自分の信念を曲げずに大人とも対等に渡りあう巧は、次第に周りと軋轢を生み出してしまい、やがて自分の力ではどうすることも出来ないものがあると知っていく。

受けてくれる相手がいてこそ、初めて投げられる自分の球。
そして、傷つかないように大事に守っていたもの。

言い訳を覚えて、手抜きを覚えて大人になってしまった私には、巧がまぶしく映ります。

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2007年3月27日 (火)

ステップ・アップ

Step_up バレエとストリート・ダンスの融合。

■あらすじ■

ボルチモアの貧しい家庭に育ち、将来に希望を抱くこともない不良高校生のタイラー(チャニング・テイタム)。
ある時、事件を起こした彼は、裁判所から罰則として名門芸術学校での奉仕活動を命じられ、清掃員をするハメに。。。

しかし、そこでタイラーは、住む世界の違うバレリーナ・ダンサーのノーラ(ジェナ・ディーワン)と出会う。
ケガをしたパートナーの代役を探していたノーラは、タイラーのダンスを見て自分のパートナーに抜擢する。

初めはバレエという慣れない世界に戸惑っていたタイラーだったが、レッスンを重ねる中で、次第にダンスに対する情熱が高まっていく。
そして同時に2人の間にも特別な感情が芽生え始めていくが・・・。

(2006/アメリカ) ★★★

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ヒップ・ホップに乗せてクラシック・バレエを踊るなんて面白そう!と思ったけど、そこまでカチッとしたダンスじゃなかったです。
当たり前か(笑)。

それに、もっとダンスがメインに来るかと思っていたけど、以外とドラマ重視だった印象です。

主人公は里親に育てられているタイラー。
将来の展望も描けず、自分が何をしたいのかも分からない青年。

一方のノーラは、明確な目標を持ち、夢の実現に向けて自分を追い込む日々。

ひょんなことからノーラのダンス・パートナーになったタイラーは、ノーラに触発され、またノーラもタイラーに惹かれていく・・・。

2人がラブモードになるのは、まぁ許すとしても、要所要所の肝心なエピソードがあまりに軽くて、心に響かない。

特にノーラのボーイフレンドと、ルーシー(ドリュー・シドラ)のボーイフレンドの扱いが酷いです。
ストーリーの都合上、邪魔になったから別れさせるために女の子とイチャイチャさせてるみたいだったりして、コテコテの展開。

ガールズたちは、もっと、ちゃんと、タイラーやマイルズ(マリオ)と向き合って、迷いに迷ってどちらかを選べばいいと思う。
映画では、付き合っている彼氏への信頼が揺らいで、別の男に走っているようで想いの深さが伝わってきません。

タイラーやマイルズだって、ホントに好きだったら彼氏から奪うくらいの覚悟があっていいはずだよね。
でも何故か、この映画では主導権があるのは女性の方なのです。

だから物別れしても、絶対ノーラからタイラーに侘びを入れに行ったりしないのだ!
再びパートナー不在の窮地に立っても、ノーラは一人で切り抜けようとします。
なんて、たくましいのでしょう!

そんなノーラと比べてしまうと、タイラーの貧弱さが一層際立ちました。
結局、彼女に引っ張られる形でタイラーは「あること」を夢見るんだけど、それが割りとちっちゃな夢なんだよね(笑)。
それが実現した後は?どうするの?どうしたいの?

バレエとストリート・ダンスや、ヒップ・ホップなんて、異色の組み合わせだし ネタは面白いと思うけど、
手堅くまとめ過ぎたというか、閉塞感を自ら打破するようなエネルギーがもう一歩足りなかったです。

踊ることに理解のなかったノーラの母親がいきなり、コロッと態度を変えるのも不自然でした。
願わくばノーラのダンスを見てから心変わりをして欲しかったし、ノーラ自身が母親に理解を求めて欲しかったです。

他にもタイラーがノーラとのダンス特訓に精を出して友人と軋轢が生まれるくだりも、きちんと話していれば解決したはず。
あまりにディスコミュニケーションなのが気になります。

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2007年3月24日 (土)

ポイント45

Point_45 ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のガン・アクション映画かと思っていたら、
なんとDV(ドメスティック・バイオレンス)モノでした。。。

■あらすじ■

ニューヨークの吹きだまり“ヘルズキッチン”。
この街に暮らすキャット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、拳銃や盗品を売りさばく故買屋の男ビッグ・アル(アンガス・マクファーデン)の情婦。
短気で嫉妬深いアルの暴力に怯えながらも、一方で彼を愛し離れられずにいた。

そんなキャットは商売を広げようと、アルに内緒で取引に手を出し、アルが決して売らない相手にも拳銃を売りさばく。
しかし、アルの過剰な独占欲から、キャットは次第に手酷い仕打ちを受けるようになっていく。

キャットに想いを寄せるレズビアンのヴィック(サラ・ストレンジ)や、ビッグ・アルの親友ライリー(スティーヴン・ドーフ)、さらにはソーシャルワーカーのリズ(アイシャ・タイラー)などがキャットの身を案じ、アルと別れるよう忠告するが・・・。

(2007/アメリカ) ★

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あの、、、
予告編から受けたイメージと全然、違うのですが・・・。

てっきり、ミラ姉さんが、男も女も手玉に取りながら、罠を仕掛ける悪女モノだと思っていたので、かなりガッカリ。

何がダメって、ミラ姉さんの魅力を活かしきれてないこと。
いつまで経っても格好良く“悪女”に変身しないのだ。
ツラい・・・。

実はこの映画、“悪女”ではなく、いわゆる“ビッチ系”だったのです。
初っ端から、下ネタ系のセリフがやたら出てくるので辟易しました。
あまり女性向きの映画ではない気がします。

と言うことは、男性向けに作られたって事ですよね。
そのあたりは、ちゃんと(?)ミラ姉さんの超スレンダー・ボディがバッチリ披露されてます。

映画は、「キャットはスラムのボス、ビッグ・アルの女になるが、そのうち暴力を振るわれるようになった為に嫌気がさして、逃げ出す」までの話。
でも最初、キャットは暴力を振るわれても、ビッグ・アルを愛しているとか言って、彼から離れようとしないんだよね。

次第に暴力がエスカレートしていき、遂にビッグ・アルから離れようと決心した時には、脅迫を受けて離れたくても離れられない状態になっているという愚かしさ。

ビッグ・アルを演じている俳優さんもイケメンじゃなく、もっさり系の醜男っていうのもツライ・・・。

そんな訳で、結局、本編には いてもいなくてもいい役どころだったけど、ビッグ・アルの親友ライリー役にスティーヴン・ドーフが居てくれて良かったです。
久し振りに、見たよ~。

レズ友のヴィック、ライリー、親身になってくれるリズに、拳銃密売の相手まで。。。
皆がみんな、キャットに惚れてしまう展開にも無理を感じたし、その全員と関係を持つ理由も良く分からなかったけど、
一応、リズがキャットに言った
「私は、欲しいものを4人にねだるの。そのうち1つは必ず手に入れるわ」ってセリフに掛かっているんですね~。

キャットも、4人にお願い事をして、そのうちの1人に叶えて貰う。
けど、やっぱり無理がありますね(笑)。

そして、下手にドキュメンタリー風を気取って、インタビューを挟み込んだのも頂けません。

キャットのことを「頭の回転が速い賢い娘」だとか、おだてたりするけど全然そんなんじゃないし!
その上、話が進むほどにビッグ・アルの小物ぶりが浮かび上がっていくので、なんでこんな奴を取り上げるのかと不思議になってきちゃいます。
実は、スラムのボスでも何でもなかった・・・。

途中でヴィックに打ち明けていた“計画”って言うのが、何なのかも分からなかったけど、単にスラム脱出計画のことだったのかな?
私はここで、すでに罠を仕掛けてるんだ!と、早とちりをしちゃったよ。

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2007年3月23日 (金)

口裂け女

Kuchisake_onna 口裂け女って都市伝説だったの?

■あらすじ■

27年前に子供たちを震え上がらせた“口裂け女”の噂。
現在、かつて口裂け女の噂が発生した静川町で、再び噂が広まりつつあった。

ある日、噂を確かめようと公園で“口裂け女”の出現を待ち構えていた少年が、何者かに連れ去られてしまう。
そこで、小学校では集団下校をし、保護者が迎えに来るという措置をとる。

教師の山下京子(佐藤江梨子)は、受け持ちの生徒をに自宅近くまで送るが、その中にいた少女、佐々木美佳が母親(川合千春)と帰ろうとしないため暫らく一緒にいることに。

そこで、美佳から母親に虐待されていることを聞かされる山下先生だったが、直後に“口裂け女”が現れ美佳をさらって行ってしまう。

一方、山下先生の同僚、松崎昇(加藤晴彦)は、“口裂け女”が現れる時に、決まって頭の中で声が聞こえるようになり、
2人は協力してさらわれた子供たちの行方を追うが・・・。

(2006/日本) ★★

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みなさん、「口裂け女」って何者か知ってましたか?
私は聞いた事あるけど、バケモノの一種だとばかり思っていました。
違うのね!

ちなみに、口裂け女伝説とは・・・
『1979年に日本中を席巻し、今もその名が囁かれる都市伝説のスーパーキャラクター。
雨の夕闇、人気のない道路を小学生が通りかかると、電信柱の物陰に女が傘もなしに背を向けて立っている。
振り向いた女はコートを着て、マスクで口を隠している。
「ワタシ、キレイ?」
女は小学生に聞く。 小学生が「うん」と返事をすると、女は「これでもか?」と言って、マスクを外す。
驚いた小学生の口を、女は隠し持っていた刃物で切り裂く…。』
(以上、チラシより抜粋)

こんな伝説、聞いたことがないので世代が違うのでしょうか。
でも、私よりもちょっと若い世代の友人聞いたら、知っていたのでビックリしました。
なんでも「学校の怪談」が流行った世代とか。 へぇ~。

それで、チラシに「口裂け女のプロフィール」が載っていて面白かったので、ちょっと紹介します。

服装: 白いマスクとコート
凶器: ハサミ、鎌、ナイフなど
身体能力: 100mを15秒、もしくは3秒で走る
対処法: 「ポマード」と1回、もしくは3回叫ぶとひるむ。また、大好物の「べっこう飴」か「小梅ちゃん」を投げ付けるなど。
出身地: 岐阜県

いろいろ突っ込みたくてしょうがないですが、長くなっちゃっうので割愛(笑)。
けれど、もし“口裂け女”に出会ったら「ポマード」と3回叫んで逃げようと思います!

えーと、映画の出来は悪くなかったハズです・・・。
「ワタシ、キレイ?」が聞き間違いだったなんて面白いと思いました。
それに、常に不穏な空気が漂っていて、終始、緊張しながら見てました。

けれど、やっぱり、なんと言うか、ありえない!!のね、展開が。

どう考えても、あそこで自首しない山下先生はオカシイし、人としてどうよ?
最後まで見ても、結局、警察に行ってないんでは?なんて思ってしまう。

松崎先生が命を掛けて戦ったのに、あのラストもないだろーって感じでした。
まぁ、都市伝説だし、解決しちゃダメなんだろうけど。。。
それにしても、可哀想な松崎先生・・・。

ファンの方には申し訳ないけど、今回の佐藤江梨子はキャスティング・ミスだったかなと、思います。
どう見ても、バツイチ子持ちの教師に見えませんでした。

逆に、後から知って驚いたのが、口裂け女を演じていたのが水野美紀だったこと!!
意外すぎて、気付かなかった…。

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2007年3月21日 (水)

恋人たちの予感

When_harry_met_sally 男女の間に友情は成立するのか?

■あらすじ■

1977年のシカゴ。
大学を卒業したばかりのハリー(ビリー・クリスタル)とサリー(メグ・ライアン)は、経費節約のため同じ車でニューヨークへと向かう。
けれど、初対面の2人は事あるごとに意見が対立し、お互いの印象は最悪。

それから5年後。
ニューヨークの空港で偶然再会した2人には、それぞれ別の相手と恋愛中。

そこから、さらに5年後。
離婚直前のハリーは、恋人と別れたばかりのサリーと、またもや再会。
やがて、お互いの恋の悩みを打ち明けるうちに、2人は意気投合するが・・・。

(1989/アメリカ) ★★★★☆

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ちょっぴり、胸キュンしちゃった!

メグ・ライアンもキュートで可愛かったんだけど、ビリー・クリスタルに思わずトキメいてしまったよ☆

それに、邦題が上手いね! 
原題は「When harry Met Sally...」 ←韻は踏んでるけど・・・。

大学を卒業してニューヨークへ車で向かう時、その5年後の空港での再会、さらに5年後の本屋での再会…と、
2人の3変化も見ていて楽しい。

けれど、この映画の核になっているのはメグ・ライアンとビリー・クリスタルのセリフの応酬。
息ピッタリに会話を重ねていくのが上手かったです。

出会った頃とその5年後、さらに5年後では性格も丸くなってたりして現実味があるんだけど、
根っこの部分は変わらなかったりするのが上手く描かれていました。

ハリーのずけずけ物言う性格は昔と変わらないし、サリーが注文方法にこだわるのも相変わらず。

最後には、そんな不器用で偏屈なところも含めて、相手を愛しく思えるようになるのがいいですね~。

映画ではハッピー・エンドだから、男女間の友情が成立するのかなんて結局のところ分からないけど、
男女の友情関係ですぐに思い出すのは「ベスト・フレンズ・ウェディング」のジュリア・ロバーツとルパート・エヴェレット!

って言っても、ルパートはゲイの役だったけど・・・。
ゲイの人とは恋愛関係にならないもんね(笑)。 

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2007年3月20日 (火)

ビッグ・バウンス

Big_bounce ぬるま湯に浸かった犯罪者たち。。。

■あらすじ■

口が達者な詐欺師のジャック(オーウェン・ウィルソン)は、不調気味の運気を変えようとハワイへとやって来る。
ひとまず不動産業者レイ・リッチー(ゲイリー・シニーズ)のリゾート建築現場に働き口を見つけたジャックだったが、時を置かず現場でトラブルを起こしてクビになってしまう。

リッチーの右腕のボブJr.(チャーリー・シーン)から、自分の身が大事なら島を出るようにと、警告を受けるジャックだったが、まるで意に介さない。
そんな度胸を気に入られて、地方判事のウォルター(モーガン・フリーマン)が経営するバンガローで働くことになったジャックは、リッチーの愛人であるナンシー(サラ・フォスター)と親しくなる。

やがて、ナンシーはジャックに、リッチーから20万ドルの大金を奪う計画を持ちかけるが・・・。

(2004/アメリカ) ★

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同名小説(「ビッグ・バウンス」)が原作で、
1969年に一度「悪女のたわむれ」と言うタイトルで映画化されているそうです。
再映画化された今回は、コメディ調にかなりアレンジされているみたい。

だけど映画の出来は、リゾートを舞台にした“コソ泥”と“水着美女”が登場するチンケな三文小説みたいな印象・・・。
全然、面白くない。

ハワイのリゾート地が舞台だから、時間の流れがゆったりなのは分かるけど、話の展開がユルすぎる!ヌルすぎる!

全貌を隠すために、ちょっとずつ人間関係を見せていくのも、あまり好きじゃなかったです。
ようやく全体図が見えたところでも、ハメたのね!ハメられたのね!ってな感じも特になかったし、ラストの終わり方もかなり微妙でした・・・。

コメディ映画としても、爆笑!!ってほど笑えなかったです。

犯罪映画としての見所も殆どなくて、
結局すべてのトリック(と言うほどのこともない)を人間関係で終わらせてしまっているだけだったー。

見るべき所は、ナンシー役のサラ・フォスターのスレンダーなボディ・ラインかな。
見事なくびれ。 羨ましい~(笑)。

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2007年3月17日 (土)

ゴーストライダー

Ghost_rider ヒーローなのか、それともアンチ・ヒーローなのか。

■あらすじ■

危険なバイク・スタントのショーで人気を博す天才ライダー、ジョニー・ブレイズ(ニコラス・ケイジ)。

彼は17歳の時、癌に冒され父親を救うために、悪魔メフィスト(ピーター・フォンダ)と取引をして自らの魂を売り渡してしまった過去を持つ。

30歳になったジョニーの前にメフィストは再び姿を現わし、ジョニーは魔界の反逆者ブラックハート(ウェス・ベントリー)を捕らえるよう命じられる。

メフィストにより魔界の力を得て、ゴーストライダーとなったジョニーは、“地獄(ヘル)バイク”に乗ってブラックハート率いる悪魔軍団を追いつめていくが・・・。

(2007/アメリカ) ★

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ニコラス・ケイジがゴーストライダーに変身するまでは、話の内容を理解できていたと思うんですけど、話が進めば進むほどによく分からなくなっていきました。

私の理解不足なのか、ファン向けの映画で内容を端折っているのか。

話の構図は至って単純。
悪魔メフィストと取引したニコラス・ケイジが“ゴーストライダー”となって、魔界から逃げ出したブラックハートを捕まえたら任務完了!お咎めなし!ってことらしいんだけど・・・?

そもそも“ゴーストライダー”って何者???
悪い奴が近くにいると体が反応して、退治せずにはいられなくなるのを見ると“正義の味方”っぽいよね。
悪魔の手下だけど“正義の味方”って、すごく矛盾してる気がするんだけど(笑)。

ブラックーハートはメフィスト失脚を狙い、地上を支配しようとしているようなんだけど、
その辺りも深く描かれていなかった為に、単なる“悪者”っていう記号としてしか存在していませんでした。

もう少し「メフィスト vs. ブラックハート」の確執が見えると良かったと思うし、そもそもメフィストは悪の支配者なんだから自分でブラックハートを捕まえればいいのでは?
何ゆえ、人の手を借りなくてはいけないのか・・・。

そこに一枚噛んで来る墓守りのケアティカー(サム・エリオット)は、話をややこしくするだけだったので、いない方が良かったです。

彼が何をやっちゃったのかも、イマイチよく分からなかったんだけど、自分の尻拭いをニコラス・ケイジにさせてるみたいでした。
違うのかな?

どうして虐殺の村に行く必要があるのかも不思議に思っていたら、そこにブラックハートがいるからで、
じゃあ、ここですべての謎が明らかにされて終盤に向かうんだなって思っていたら何も分からずに、すでにそこが終盤だったのでガックリ。

“ヘルバイク”や“変身シーン”を描きたかったんだろうけど、映画の売りになる程でもなく、ニコラス・ケイジは変身しない方が良かったのでは??と思うくらいにガイコツ姿は微妙。。。

どうやら、ジョニー・ブレイズと変身後のゴーストライダーの人格は違うようでもあったんだけど、
(自分の中で“もう一つの人格=ゴーストライダー”を抑えようとしている…と言うセリフがあったので)
そのあたりの描き分けも全然なくて、いつの間にか一体化してました。

ラストも続編への布石って感じがして、
どうしてジョニー(ニコラス・ケイジ)がそんな判断をしたのか、サッパリ信念が伝わってきません。

ちょっと若返ったニコラス・ケイジが見たい人、
ニコラス・ケイジの割れた腹筋が見たい人には、いい映画かも。

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2007年3月16日 (金)

ラストキング・オブ・スコットランド

Last_king_of_scotland スコットランド青年医師 in ウガンダ。

■あらすじ■

1971年。
スコットランドの医学校を卒業したニコラス・ギャリガン(ジェームズ・マカヴォイ)は、高い志を胸にウガンダのムガンボ村にある診療所へとやって来た。

その年のウガンダは、ちょうど軍事クーデターによってイディ・アミン(フォレスト・ウィテカー)が新大統領となったばかり。

ニコラスはアミンの演説を聞くや、そのカリスマ性に強く惹きつけられる。
そして偶然にも、ケガをしたアミンを救ったことからアミンに気に入られ、彼の主治医に抜擢される。

やがてアミンは主治医以上の信頼をニコラスに寄せ、ニコラスもまたその期待に応えようとするが・・・。

(2006/アメリカ) ★★★★☆

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フォレスト・ウィテカーが、本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した作品。

人心を掌握するカリスマ性。
裏切りを恐れて誰も信用しない孤独な独裁者。

大きな体躯も手伝ってフォレスト・ウィテカーは、全身からオーラが出ていていました。

相手役のスコットランド青年医師ニコラスを演じたジェームズ・マカヴォイも好演していて良かったです!

ニコラスは何人かの実在の人物を併せて作られたキャラクターなのだそうですが、「僕のウガンダ滞在記」と言った風に、
アミン大統領を主役に据えるのではなく、ニコラスを映画の先導役にしたことで、スムーズに映画の世界に入っていけました。

ただ、ニコラスは人妻好きなところが欠点だけど(笑)。

英国とスコットランドの微妙な関係を、映画に反映させていたのも上手かったですね。

カリスマ性とリーダーシップを兼ね備えたアミン大統領。
そんなアミンに重用されるニコラス。

蜜月時代は過ぎ、次第にアミンの本性が見え隠れする・・・。

頂点に上り詰めた独裁者は、暗殺を恐れ、裏切りに怯え、それ故に反逆者を抹殺するようになる。
そして、それは次第にエスカレートして行き・・・。

焦点をアミンとニコラスの周囲から外さずに、ラストは一気にストーリーが加速して目が離せない展開でした。

けれど、国民レベルでどのくらいの圧政があって、不遇の時代だったのかは、よく分からなかったです。

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2007年3月15日 (木)

ナイト ミュージアム

Night_at_the_museum 真夜中の魔法・・・。

■あらすじ■

ニューヨークに住む冴えないバツイチ男、ラリー・デリー(ベン・スティラー)。
現在、失業中の彼は最愛の息子ニッキー(ジェイク・チェリー)のためにも新しい職探しを始め、自然史博物館の夜警の仕事にありつく。

さっそく先輩の老警備員から仕事を引き継ぎ、夜の博物館で勤務初日を迎えるが・・・。

(2006/アメリカ) ★★★

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ベン・スティラー扮するラリーと、離婚した妻、息子のニッキーの家族関係が、現代的なような進んでいるような不思議な感じでした。

離婚と言うと痴情のもつれを想像しちゃうけど(笑)、いがみ合って離婚した訳じゃなくて、お友達に戻ったみたいな関係なんだよね。
こんなに未練もなくいられるものなのね~と、アッサリした関係に驚いてしまいました。

きっと、バツイチの設定にしたのはラリーのダメ男ぶりを強調するためなんだろうけど、奥さんや恋人の存在が出てこないことで、ダメ親父と息子の関係がクローズアップされています。

それに、主人公を子供にしてたら、完全に子供向けの映画になってしまっていたと思うけど、
ダメ親父が主人公なことで、大人も楽しめるファミリー向け娯楽アドベンチャーに仕上がっていました。

ベン・スティラーもロビン・ウィリアムズも、演技過剰に走ることもなく、やり過ぎずに抑え目にだったのが良かったです。
コメディを期待している人には、ちょっと物足りないかもしれないけれど・・・。

ストーリーも3日間の出来事として、コンパクトにまとまったシンプルな構成なので素直に楽しめます。

魔法の石版(王家の紋章)の謎を解いたりするのかと思ったけど、そうじゃないのね~(笑)。

ジオラマ役で、スティーヴ・クーガンオーウェン・ウィルソンが出ているのを発見して、嬉しくなっちゃった!

予告編で大暴れしているティラノザウルスも可愛かったけど、一番の笑いを誘っていたのはデクスター(ノドジロオマキザル)だったかも~。

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2007年3月12日 (月)

オーメン

The_omen 悪魔の子、ダミアン。

■あらすじ■

外交官のロバート(グレゴリー・ペック)は、ローマの病院で妻のキャサリン(リー・レミック)が出産したの赤子が死産だったことを知る。

妻を慮ったロバートは、そのことをキャサリンには知らせず、同じ日、同じ時刻の6月6日午前6時に生まれ、母親が死んでしまった子供を引き取りダミアンと名付けて育てることに。

5年後、ロバート一家はロンドンに引っ越しをする。
すくすくと育ったダミアンが5才の誕生日を迎えた6月6日、パーティー会場で一匹の黒い犬がダミアンを見つめ、ダミアンもそれに気付く。

その日から、一家の周辺では不可解な出来事が頻発するようになり・・・。

(1976/アメリカ) ★★★☆

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昨年リメイク版が公開されたけど、オリジナル版を先に見たかったので見に行きませんでした。
オリジナル版を見た今は、リメイク作が気になります(笑)。

先入観から、めっちゃ怖い映画だと思っていましたが、意外にも怖くなかったです。
ショッキング映像は当時 見ていたら、かなりのインパクトだったと思いますが、今は普通に見れちゃいますね。

ダミアンを見守るために、どこからとなく現れる家政婦さん(ビリー・ホワイトロウ)も怪しげで良かったですが、黒い番犬(?)が凶暴そうで怖かったです。

悪魔の子って言うくらいだから、ダミアンに注目してしまいがちだけど、ダミアン自身が直接手を下すのではなく
ダミアンの周りで不審なことばかりが起きて、周り(母親)が精神的に追い詰められていくんですね。

父親はブレナン神父(パトリック・トラフトン)から、ダミアン出生の秘密を聞くも信じることが出来ない。
けれど、疑惑は広がるばかりで、とうとう調査に乗り出す。

そこに協力するのがカメラマンのジェニングス(デイヴィッド・ワーナー)。

赤子を斡旋した神父さんと、ダミアン出生の秘密について語る神父さんが違う人なので、唐突のブレナン神父の出現には「?」って感じもしましたが、
ロバートの職業を「外交官」に設定して、最後は上手く使ってました。

いやぁ~、末恐ろしいわぁ。
どうなる!?人類!!

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2007年3月11日 (日)

CUBE ZERO

Cube_zero 想定の範囲内。

■あらすじ■

鋼鉄製の立方体=CUBEの迷宮をさまよい、ついに力尽きる男。
その姿をモニターで見つめる2人の男たち。
彼らはCUBEの管理と被験者の監視を行う職員たちだ。

職務に忠実なドッド(デヴィッド・ヒューバンド)に対し、計算機並みの頭脳を持つウィン(ザカリー・ベネット)は、CUBEの目的や自分たちの仕事、そして突然いなくなってしまう同僚の存在などに疑問を抱き始めていた。

そんな矢先、ドッドとウィンは、CUBEに運び込まれた新たな被験者・レインズ(ステファニー・ムーア)の脳内をスキャンする仕事を与えられる。
レインズに関心を持ったウィンは、ファイルに彼女の被験同意書がないことを知り、彼女を救おうと自らCUBEの内部へと足を踏み入れる・・・。

(2004/カナダ) ★★

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世の中には「続編」を作ってはいけない作品と言うものが存在します。
「CUBE」も、そんな作品のうちの一つかもしれませんね。

しかも、監督を変えて作られた続編なんて、続編足りえるのか?
アイデアに乗っかった便乗ものって印象がぬぐえないですけど、
「CUBE2」に続いて、「CUBE ZERO」が作られました。

「CUBE ZERO」は「CUBE」の前日譚にあたり、「CUBE」誕生の秘密が明かされる・・・と言うのがウリ。

んー、
国家権力が…とか、政治犯、囚人、思想犯。。。
なんとなく想定できる範囲内で小さくまとまっているのが、もったいない印象でした。

突飛なことをされても・・・って言うのもあるけど(笑)。

“CUBE”の監視体制や内部構造についても、“驚き”はなく“納得”ってカンジでしたね。
けれど「CUBE」に対して辻褄を合わせようと、最大限リスペクトしているのは感じました。

ウィンの最後は、「CUBE」へのオマージュですよね。

でも、「CUBE」のラストシーンには、かすかな希望を見ることが出来たのに、
「CUBE ZERO」では残酷にも希望を粉々に砕かれました。
脱出後にも難問が待っているなんて、酷いよ。

ウィンがレインズに興味を持つ理由にも、もう一捻り欲しかったです。

監視員の上司ジャックス(マイケル・ライリー)もアル・パチーノ的演技で、映画からちょっと浮いてた気がします。

何より、理由も判らず密室に閉じ込められる不条理サスペンス、
その中で展開される社会の縮図と人間の本性・・・と言う「CUBE」の本質からズレているのが残念。

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2007年3月10日 (土)

★トラックバック・ポリシー★

当ブログでは、つらつらと映画の感想を記事にしていますが、
自信もないし、文才もないので、自分からはTBをつけて回ったりはしていません。 

そんな訳で、このブログをひょっこり見つけて訪れてもらえるのは、とても嬉しく光栄に思います。

基本的にTBしてくださった記事には、TBをお返ししておりますが、相性の悪いところには送れない場合があるようです。

こちらがスパムになってもいけないと思うので、送れなかった場合は申し訳ないのですが縁がなかったと思うようにしています。

さて、ここからが本題なのですが。。。

最近、映画とは関係のない記事のTBが付くようになりました。
芸能とか、ダイエットとか、懸賞とか・・・。
スパムの一種なのでしょうか?

辺境の弱小ブログなので困るほどではないのですが、ブログ内容と関係のないTBは削除させて頂きますので、何卒ご了承ください。

追記: 海外から?の怪しげなTB&コメントが大量に送られてくるようになったので、現在はどちらも認証制になっています。  

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2007年3月 9日 (金)

隠された記憶

Cache 隠された意図。

■あらすじ■

テレビ局の人気キャスター・ジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ)は、編集者の妻アン(ジュリエット・ビノシュ)と一人息子ピエロの三人で平穏に暮らしていた。

そんなある日、一本のビデオテープと不気味な絵が何者かによって何度も送りつけられるようになる。
テープには、ジョルジュの家の前の風景が延々と撮影されていた。

次第にテープに内容が、プライベートな領域までエスカレートしていき、不安から恐怖に変わる。

誰が何の目的で・・・?
やがてジョルジュは、ある遠い日の記憶を呼び覚ます。

それは、子供の頃に、当時まだフランスの植民地だったアルジェリア出身の使用人の子供をめぐる、ほろ苦い記憶だった・・・。

(2005/フランス・オーストリア・ドイツ・イタリア) ★★

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ミヒャエル・ハネケ監督の作品を観るのは「ピアニスト」「ファニーゲーム」に続いて、まだ3作目ですが今回の作品とは相性が悪かったみたいです。

「ピアニスト」も「ファニーゲーム」も、
『何故?どうして?』という疑問には一切、答えてくれない作品でしたが、
それ故、心のどこかが微妙に反応して、今も心のどこかに居座り続けています。

常識への挑戦。
徹底した理不尽さ。

今回の作品でも『何故?どうして?』には答えてくれません。
それは同じなのですが、今回はそこに『誰が?』が加わります。

『誰が』『何の目的で』ビデオテープを撮影し、送りつけるのか。

不安に駆られ、遠い昔の記憶を呼び覚ます主人公に、目的の半分は達成されたかのようにも見えます。

だからなのか、より『誰が?』に思考が向かってしまうのです。
けれど、最後まで明確にならない『犯人』を探そうとしてこの映画を見ると、フラストレーションが溜まる一方です。

衝撃のラストカットと謳われたラストシーンも、
「だから?」「それで?」
と、思うばかりで私の中では中途半端な印象。

ハッキリ、スッキリしないことで余計に後を引くラストとも言えるのかもしれませんが、
ラスト・シーンよりジョルジュが4度目にアパートを訪れるシーンにビックリしました!

しかも、その問題のシーンが、初めてアパートに訪れた時にビデオに撮られた角度と同じポジションから撮影されててドキッ!
もしや、これも隠し撮りされているのでは・・・?なんて。

犯人は『誰で』『何が目的』なのか。
最後まで明確にならずに隠され続ける意図に、どこまでついてゆけるかがポイントでした。

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2007年3月 8日 (木)

パフューム ある人殺しの物語

Perfume 匂い立つ映像と孤独な肖像。

■あらすじ■

18世紀のパリ。
悪臭立ちこめる魚市場で一人の赤ん坊が産み落とされる。
間一髪で拾われた赤子は、ジャン=バティスト・グルヌイユと名付けられ、育児所に引き取られることに。

そんな彼は、何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける超人的な嗅覚の持ち主だった。
やがて青年となったグルヌイユ(ベン・ウィショー)は、ある時、運命の香りと出会う・・・。

(2006/ドイツ・フランス・スペイン) ★★★★☆

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先日、見た「パリ、ジュテーム」でも、気を吐いていたトム・ティクヴァが監督!
この監督の「ラン・ローラ・ラン」は実験的な変わった作品でしたけど、個人的には「ヘヴン」のラストカットが印象的に残っていて注目している監督さんです。

そして、この映画もかなり見応えのある作品でした~。

グルヌイユが生まれる魚市場のオープニング・シークエンスから、ぐんぐん引き込まれて最後まで飽きなかったです。

さすがに「トゥモロー・ワールド」の時のように、赤子から“湯気”は立ってなかったですが、それに近いくらいにリアルな赤子に見えました。

近づけた指をパシッと握って、クンクン匂いを嗅ぐシーンは、只者じゃない赤子を演出していて凄いなって思いました。

でも、それより遥かに圧巻だったのは、広場での処刑台のシーン。

ロダンが生きていたら夢中になってデッサンを取りそうなくらいに蠢く人体の数々。
肉体が重なりあう様は、地獄絵図ならぬ天上の楽園と化す。
いやいや凄いね!

グルヌイユの誕生から、成長、そして運命の香りとの出会いを丹念に描いていくので、不思議なことにグルヌイユに対して嫌な感情は湧いて来なかったです。
タイトルにもある通り、彼は“人殺し”なのに。

彼が魅せられた“プラム売りの少女(カロリーネ・ヘルフルト)の香り”を再現し、保存すべく香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入り志願。

ダスティン・ホフマンは白塗り顔で、超キュートでした(笑)!

そんなマスターの元を離れ、もっと高度な香りを閉じ込める方法を求めて、グルヌイユは“香りの都”グラースへ向かう。

そこで彼は“あの香り”と再会を果たす。
香りの持ち主は、裕福な商人リシ(アラン・リックマン)の娘、ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)。

そして“冷浸法”を覚えたグルヌイユは、とうとう念願の人間の匂いを抽出することに取り掛かる・・・。

以降、スリリングに予断を許さない展開でした。

彼が完成させた最高のパフューム。
彼が奪ったもの。
彼が与えたもの。

人心を操れるほどの力を手に入れながら、彼が願ったこと。
愛されたい、愛されたい、愛したい。

誰からも愛されず、愛し方も知らない孤独な殺人者。
ラスト・シーンは、ちょっぴり切なさを感じました。

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2007年3月 7日 (水)

パリ、ジュテーム

Paris_je_taime たった5分に詰め込まれた、パリの断片。
それが18本も集まると、素敵な映画になっちゃうんだな!

ずっと、ずうっーと、楽しみにしていたこの映画は、
パリの1区~19区(18区&20区は無し)を舞台にしたショート・ストーリー。

監督で見るも良し!
出演者を見るも良し!
ストーリーを見るも良し!

いろんなところに、ちょっとした発見がありました。

この中に、きっと、お気に入りのストーリーが見つかるはず!

■あらすじ■ 

◆「モンマルトル」
  監督…ブリュノ・ポダリデス

ようやく駐車スペースを確保した男(ブリュノ・ポダリデス)の車の横で、突然黒いコートの女(フロランス・ミューレル)が倒れる。

◆「セーヌ河岸」
  監督…グリンダ・チャーダ

セーヌ河岸でナンパに精を出す友人2人と一緒のフランソワ(シリル・デクール)は、目の前で転んだアラブ系の女性(レイラ・ベクティ)をとっさに助け起こす。

◆「マレ地区」
  監督…ガス・ヴァン・サント

印刷所にやって来たイギリス人女性(マリアンヌ・フェイスフル)の助手ガスパール(ギャスパー・ウリエル)は、そこで働く青年(イライアス・マッコネル)に惹かれる。

◆「チュイルリー」
  監督…ジョエル・コーエンイーサン・コーエン

地下鉄のチェイルリー駅のホームで、アメリカ人観光客の男(スティーヴ・ブシェミ)がガイドブックを読んでいる。
そこには「パリは恋人たちの街」と書かれていて・・・。
 
◆「16区から遠く離れて」
  監督…ウォルター・サレスダニエラ・トマス

パリ郊外の団地に住む移民のアナ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は、朝早くに子供を託児所へ預け、16区へと向かう。

◆「ショワジー門」
  監督…クリストファー・ドイル

シャンプーのセールスマンをする男(バーベット・シュローダー)はチャイナタウンにあるマダム・リーの美容室にやって来る。

◆「バスティーユ」
  監督…イザベル・コイシェ  

客室乗務員の愛人(レオノール・ワトリング)と交際を続けてきた男(セルジオ・カステリット)は、レストランで妻(ミランダ・リチャードソン)に別れを切り出そうしていたが・・・。

◆「ヴィクトワール広場」
  監督…諏訪敦彦

カウボーイの存在を信じていた息子を1週間前に亡くしたスザンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、夫(イポリット・ジラルド)の慰めも耳に入らず抜け殻のような日々を過ごしていた。
その晩、息子の声に導かれ、家を飛び出した広場で出会ったのは馬に乗ったカウボーイ(ウィレム・デフォー)で・・・。

◆「エッフェル塔」
  監督…シルヴァン・ショメ

エッフェル塔のすぐ側に住むパントマイムがすべての男(ポール・パトナー)。
しかし、気味悪がって誰からも相手にしてもらえない・・・。

◆「モンソー公園」
  監督…アルフォンソ・キュアロン

クレア(リュディヴィーヌ・サニエ)との待ち合わせに、初老の男ヴィンセント(ニック・ノルティ)が遅れてやって来る。

◆「デ・ザンファン・ルージュ地区」
  監督…オリヴィエ・アサイヤス

映画の撮影でパリにやって来たアメリカ人女優のリズ(マギー・ギレンホール)は、ドラッグの代金を支払うため売人のケンとATMへ行く。

◆「お祭り広場」
  監督… オリヴァー・シュミッツ

腹部を刺されたハッサン(セイドゥ・ボロ)の応急処置をする医学生のソフィ(アイサ・マイガ)。
献身的に介抱してくれる彼女をお茶に誘うハッサンだったが・・・。

◆「ピガール」
  監督…リチャード・ラグラヴェネーズ

歓楽街のバーでカウンターの女性(ファニー・アルダン)と短い会話を交わした男(ボブ・ホスキンス)は、その後“のぞき部屋”に行く。
そこに、先ほどの女性が突然やって来て・・・。

◆「マドレーヌ界隈」
  監督…ヴィンチェンゾ・ナタリ

深夜、バックパックを担いだ青年(イライジャ・ウッド)は、人を襲ったばかりの美貌のヴァンパイア(オルガ・キュリレンコ)と出くわす。

◆ 「ペール・ラシェーズ墓地」
  監督…ウェス・クレイヴン

フランシス(エミリー・モーティマー)とウィリアム(ルーファス・シーウェル)は、結婚を1ヵ月後に控えたイギリス人のカップル。
フランシスの希望で有名人が数多く眠る墓地へとやって来たが、オスカー・ワイルドの墓をキッカケに諍いが始まる・・・。

◆「フォブール・サ・ドニ」
  監督…トム・ティクヴァ

盲目の学生トマ(メルキオール・ベスロン)は、恋人(ナタリー・ポートマン)から突然、電話で別れを告げられる。

◆「カルチェラタン」
  監督…フレデリック・オービュルタンジェラール・ドパルデュー

初老のアメリカ人ベン(ベン・ギャザラ)は、別居中のジーナ(ジーナ・ローランズ)と正式に離婚するためパリへとやって来た。

◆「14区」 
  監督…アレクサンダー・ペイン 

デンヴァーで郵便配達するキャロル(マーゴ・マーティンデイル)は、休暇に一人でパリへやって来た。

(2006/フランス・ドイツ) ★★★★

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盲目の青年とナタリーが恋人の「フォブール・サ・ドニ」は、他の作品よりも出来が飛びぬけて良かったです。
監督は、「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ。

次に良かったのがコーエン兄弟の「チュイルリー」。
スティーヴ・ブシェミが どアップで出てくるだけで、ニヤッとしてしまいます(笑)。
   
この2作品は先行して作られて、映画の指針となったようだから質が高いのもうなずけますね。

他に印象に残ったのは、
パントマイムが可愛いシルヴァン・ショメ監督の「エッフェル塔」 と、ラストカットが秀逸だった「お祭り広場」。
    
「ベルヴィル・ランデブー」のシルヴァン・ショメ監督が、実写映画を撮るのも楽しみだったけど、期待に違わずチャーミングな作品に仕上がってました!

もう一人、期待していたのが「マレ地区」のガス・ヴァン・サント監督。
ギャスパー・ウリエルが出るので心躍ってましたが、相手役の青年は「エレファント」に出ていたカメラ小僧のイライアス君だった!

精悍な顔つきになってるよぉ~!!と、本編とは関係ないところに反応してました(笑)。
ギャスパーに喋らせ過ぎなカンジを受けたので、もう少し、雰囲気系の方が好きだったかも。。。

イライジャ・ウッド meets ヴェンパイアの「マドレーヌ界隈」は、ラストシーンに場内から失笑がこぼれてました~。
セリフがなく、ゴシック調のアイロニーが漂ってましたが、最後は勝手にして頂戴って感じです(笑)。
監督は「CUBE」「NOTHING ナッシング」のヴィンチェンゾ・ナタリ。

たった5分のストーリーだから、最初のうちは物足りなくて、もうちょっと続きを見たいって思うところで終わっちゃったりするんだけど、それがだんだんと心地良くなってきて、最後には満腹になりました。

ちょっとずつ、オイシイ映画。

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2007年3月 6日 (火)

ギャスパー・ウリエル

Gaspard Ulliel

  • 誕生日:1984年 11月 25日
  • 出身:フランス

主な出演作:

公開待機作:

  • 「Jacquou le Croquant」…歴史もの。
  • 「L’ Inconnu」…短編映画。 
  • 「Un barraqe contre le Pacifique」
  • 「Objet trouve」…短編映画。
  • 「La Troisieme partie du monde」

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2007年3月 5日 (月)

ボビー

Bobby 事件。
そして、そこに居合わせた人々。

■あらすじ■

1968年6月5日。
次期アメリカ大統領候補としてカリフォルニア州選挙を勝利したロバート・F・ケネディ“愛称ボビー”は、その夜、アンバサダーホテルで暗殺される。

その16時間前。
アンバサダーホテルでは、人種も年齢も境遇も異なる人々が集まり、それぞれに不安や苛立ち、辛い現実に直面していた。

(2006/アメリカ) ★★★

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ジョン・F・ケネディが暗殺されたのは「JFK」を見て知ってましたが、JFKに弟がいて、その弟も暗殺されて亡くなったのは知りませんでした。

そんなよく知らない“ボビー”が暗殺されるまでの16時間。
“ボビー”本人に焦点を当てているのではなく、そこに居合わせた人々に焦点を当てているのが特徴です。

だから結構、ストーリーが見えてきませんでした。
登場人物の数だけエピソードがあるけど、サクッとかじるだけで深入りしません。

主な登場人物とエピソードはこんなカンジ↓

待遇の悪さに嘆く厨房の従業員(フレディ・ロドリゲスジェイコブ・バルガス)と、そこを仕切る料理長(ローレンス・フィッシュバーン)。

公平を謳う支配人(ウィリアム・H・メイシー)は、影で電話オペレーター(ヘザー・グラハム)と不倫中・・・。
そんな支配人に差別的だとクビを切られる厨房マネージャー(クリスチャン・スレイター)。

支配人の妻(シャロン・ストーン)は、夫の不倫に勘付きながらも同じホテル内で美容室を切り盛り。
そこに訪れたのが、結婚式をあげる花嫁(リンジー・ローハン)。
実は彼女が結婚を決意したのは、ベトナムに徴兵されてしまう同級生(イライジャ・ウッド)の命を救うため。

ホテルでの公演を控えたアル中の歌手(デミ・ムーア)と、ヒモ状態の旦那(エミリオ・エステヴェス)。

スイートルームに宿泊した夫婦は、旦那(マーティン・シーン)が精神科医にかかり、妻(ヘレン・ハント)も外見ばかりを気にして、どこかギクシャク。

ロバート・F・ケネディを支える側近の2人(ジョシュア・ジャクソンニック・キャノン)は選挙対策に余念がないが、チェコから来た新聞記者(スヴェトラーナ・メトキナ)に付きまとわれる。

選挙活動をサポートする学生2人(ブライアン・ジェラティシア・ラブーフ)は、ハメを外してヤクの売人(アシュトン・カッチャー)から“LSD”を手に入れる。
ハイになった彼らが訪れたレストランにいるのは、女優を夢見るウェイトレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)。

ホテルのドアマンだった初老の男性(アンソニー・ホプキンス)は、元同僚(ハリー・ベラフォンテ)とロビーでチェスを楽しんでいる。

~・~・~・~

誰に感情移入するわけでもなく、その時代を切り取った映画なのでしょう。
当時を知らない私ですが、“LSD”“ベトナム戦争反対”のキーワードから、なんとなく“あの時代”と言うのが伝わってきました。

そんな時代に必要とされた希望の光。
理想を語るボビーの言葉は、その時の人々が欲していたものだったんですね。

散漫だった印象のエピソードが、事件、そしてボビーの演説に終結していくところは、なかなか良かったです。

今、聞いても、理想を語るボビーの言葉には心動かされるものがありました。
現在でも、当時の理想と程遠いからかもしれません。。。

でも、最後は、何故“ボビー”が暗殺されなくてはいけなかったのかが、全く分からなくてポッカリ穴が空きました。
いつの時代にも、反対勢力はいるんでしょうけど。

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2007年3月 3日 (土)

Sakebi ムンクの叫びを見よ!

■あらすじ■

刑事・吉岡(役所広司)の周辺で続発する連続殺人事件。
捜査を続けるうち、被害者の周辺に自分の痕跡が残っていることに気付く。
自分の潔白を証明するためにも必死に捜査を続ける吉岡だが、やがて「犯人は自分では・・・」と思い始める。
最初の殺人現場に向かった その矢先、吉岡の前に突如、赤い服の女(葉月里緒菜)が現れ・・・。

(2006/日本) ★★☆

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黒沢清監督の作品を見るのは、初めて!
単館系のイメージを持っていたけど、近くのシネコンで上映していたので、珍しいなと見てきました。

赤い服の女は幽霊ってことになるんだろうけど、その存在感が普通に生身の人間っぽくて驚きました。
色白で、瞬きをせずにこちらを凝視してくる葉月里緒菜は怖いけど、普通にドアを開けて出て行ったりするので、全然幽霊っぽくない!

ムンクの叫び(ほっぺに両手をあてる)ポーズで登場した時には、ちょっと笑いそうになってしまったほどでした。

他にも、(おそらく台車に乗って)ツツーっと画面に迫ってくるのが、個人的にNGでした。

インサイド・マン」でも、人質が射殺された後のシーンで、デンゼル・ワシントンがぐわーっと画面に向かってくるシーンに違和感を感じたのを覚えています。

なんか、笑ってしまうのです。 
笑うシーンじゃないんですけど。。。

タイトルにも関係する「叫び声」は、
さすが映画館で鑑賞しただけのことはあって、鼓膜にビリビリと響いてくる凄まじいのが1回あって、あとは普通。。。

あんまり、内容をチェックしてなかったから、
小さい役だったけど、オダギリジョーが精神科医役で、
加瀬亮が作業船の船員で出演しているのを発見して、ちょっと嬉しくなってしまいました(笑)。

ストーリーでは、吉岡の恋人・春江(小西真奈美)の正体は想像通りでしたが、途中までは結構 面白かったです。

でも、結局、逆恨みと言うか、
吉岡が事件に巻き込まれるほどの強いつながりを持っていたと思えなくて、どうなんだろうって思いました。

一番かわいそうなのが、何にも関係ない吉岡の相棒・宮地(伊原剛志)かも。
謎も解けて、スッキリ終わるのかと思ったのに、宮地さんが連れ去られちゃって、一気に不可解な展開になってしまったカンジ。

吉岡はどこへ向かうのか。
そして、春江の声にならない叫び声は・・・?

混迷を深めるラストでした。

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2007年3月 2日 (金)

さくらん

Sakuran 豪華絢爛、江戸花魁、極彩絵巻を期待したけど・・・

■あらすじ■

江戸の遊郭、吉原。
玉菊屋に買われた8歳の少女は“きよ葉”と名付けられる。
知性と美貌を兼ね備えた高級花魁“粧ひ(菅野美穂)”に面倒を見て貰うことになる“きよ葉”だったが、脱走を繰り返す。

やがて17歳になった“きよ葉(土屋アンナ)”は、誰にも媚びない負けん気の強さと美貌から、人気を呼んで売れっ子になる。

そんな“きよ葉”は、うぶな惣次郎(成宮寛貴)と初めての恋を経験し、花魁“日暮”へと成長してゆく・・・。

(2007/日本) ★☆

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映画を楽しむって言うより、映像を楽しむって感じの映画でした。
こういう映像世界が好きな人は、好きな映画だと思います。

けど私は逆に、見るべきところがなくて困りました。

少女から花魁に上り詰める成功物語としても、自分で勝ち取るって言うより、周りに流されて・・・って感じだし、ストーリーに全くハマれなかったのです。

この映画の中で唯一好きなシーンは、隠れて惣次郎(成宮寛貴)に会いに行ったあとの川のところですかね。

きよ葉の中でいろんな感情が交錯しているところに、川辺の草原とくすんだ空が、きよ葉の心情にピッタリでした。

でも、そこに突如、清次(安藤政信)が登場してきて、ぶち壊し(笑)。
唐突過ぎる演出は、いかにもコミック原作って感じがしました。
一応、その後の展開を匂わせるたりする、必要な演出だったんでしょうけど。

ストーリー的にも、結局、男がいないと生きられないってのが虚しかったです。
きよ葉は威勢のいいセリフを言ったりするから、最終的に女として自立して終わるのかと思ってたのに・・・。

切っても切れないのは、男と女の“性(さが)”なのか・・・。
凡庸なラストにメッセージが感じられなくて、残念です。

あと、光信(永瀬正敏)がもっと関わってくるかと思ったら、全然、絡んで来なかったですね~。
つまらん・・・。

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