パフューム ある人殺しの物語
■あらすじ■
18世紀のパリ。
悪臭立ちこめる魚市場で一人の赤ん坊が産み落とされる。
間一髪で拾われた赤子は、ジャン=バティスト・グルヌイユと名付けられ、育児所に引き取られることに。
そんな彼は、何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける超人的な嗅覚の持ち主だった。
やがて青年となったグルヌイユ(ベン・ウィショー)は、ある時、運命の香りと出会う・・・。
(2006/ドイツ・フランス・スペイン) ★★★★☆
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先日、見た「パリ、ジュテーム」でも、気を吐いていたトム・ティクヴァが監督!
この監督の「ラン・ローラ・ラン」は実験的な変わった作品でしたけど、個人的には「ヘヴン」のラストカットが印象的に残っていて注目している監督さんです。
そして、この映画もかなり見応えのある作品でした~。
グルヌイユが生まれる魚市場のオープニング・シークエンスから、ぐんぐん引き込まれて最後まで飽きなかったです。
さすがに「トゥモロー・ワールド」の時のように、赤子から“湯気”は立ってなかったですが、それに近いくらいにリアルな赤子に見えました。
近づけた指をパシッと握って、クンクン匂いを嗅ぐシーンは、只者じゃない赤子を演出していて凄いなって思いました。
でも、それより遥かに圧巻だったのは、広場での処刑台のシーン。
ロダンが生きていたら夢中になってデッサンを取りそうなくらいに蠢く人体の数々。
肉体が重なりあう様は、地獄絵図ならぬ天上の楽園と化す。
いやいや凄いね!
グルヌイユの誕生から、成長、そして運命の香りとの出会いを丹念に描いていくので、不思議なことにグルヌイユに対して嫌な感情は湧いて来なかったです。
タイトルにもある通り、彼は“人殺し”なのに。
彼が魅せられた“プラム売りの少女(カロリーネ・ヘルフルト)の香り”を再現し、保存すべく香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入り志願。
ダスティン・ホフマンは白塗り顔で、超キュートでした(笑)!
そんなマスターの元を離れ、もっと高度な香りを閉じ込める方法を求めて、グルヌイユは“香りの都”グラースへ向かう。
そこで彼は“あの香り”と再会を果たす。
香りの持ち主は、裕福な商人リシ(アラン・リックマン)の娘、ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)。
そして“冷浸法”を覚えたグルヌイユは、とうとう念願の人間の匂いを抽出することに取り掛かる・・・。
以降、スリリングに予断を許さない展開でした。
彼が完成させた最高のパフューム。
彼が奪ったもの。
彼が与えたもの。
人心を操れるほどの力を手に入れながら、彼が願ったこと。
愛されたい、愛されたい、愛したい。
誰からも愛されず、愛し方も知らない孤独な殺人者。
ラスト・シーンは、ちょっぴり切なさを感じました。
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コメント
こんばんは。以前STAYの時にTB&コメントさせていただいたKittyです。
映画感想用のブログを独立させたので、さっそくTBさせていただきました。
実はなんだか辛口な感想になっちゃったんですが(笑)見ごたえはNo.1ですね!
ではまた、よろしくお願いします♪
投稿: Kitty | 2007年3月24日 (土) 00時44分
> Kittyさん
こんばんは。
コメント&TBをありがとうございます!
確かに、見応えのある映画でしたよね!いろんな意味で(笑)。
それから、早速、Kittyさんのブログにお邪魔させて頂きました!
ステキなブログですね!
辛口と言われてましたが、大丈夫ですよ。
率直な感想で良いなって思いました!
こちらこそ、どうぞ宜しくお願いします(^-^)
投稿: 双葉 | 2007年3月25日 (日) 18時59分