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2007年4月29日 (日)

ブラッド・ダイヤモンド

Blood_diamond ハリウッド映画にして、ハリウッド映画にあらず。

■あらすじ■

内戦が続くアフリカ、シエラレオネ共和国。
愛する家族とつましくも満ち足りた生活を送る漁師のソロモン・バンディ(ジャイモン・フンスー)の夢は、自慢の息子を医者にすること。

しかしある日、反政府軍RUFに襲撃され、ソロモンは家族と引き離されてしまう。
連れて行かれたダイヤモンド採掘場で強制労働を強いられるが、そこで彼は、大粒のピンク・ダイヤを発見する。

監視の目をかいくぐり、ソロモンはそれを秘密の場所に隠す。

一方、ダイヤの密輸に手を染めるダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、ある時、投獄された刑務所で 巨大ピンク・ダイヤの噂を耳にする。

やがて釈放されたアーチャーは、ソロモンに近づき、家族捜しに協力する代わりにダイヤの隠し場所を明かすよう迫る。

そんな中、アメリカ人ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)が、武装組織の資金源“ブラッド・ダイヤモンド”の実態に関する情報を求めてアーチャーに接触してくる。

固く口を閉ざすアーチャーだったが、やがて マディーの協力が必要となり、3人は それぞれの思惑を胸に、ピンク・ダイヤを目指す危険な道へと進むことになる・・・。

(2006/アメリカ) ★★★★☆

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監督が「ラストサムライ」のエドワード・ズウィックだし、どうかなぁと思っていたのですが、なかなかしっかり作っていました。

最初は、ディカプリオが“ダイヤの密売人”って設定な上に、“元傭兵”だと言うので、おいおい大丈夫かよーって心配だったんだけど、しっかり役作りしてました。

この映画の中でのディカプリオ、ここ最近の作品の中では、かなりイイ線いってます!
ディパーテッド」よりも断然、今作の方が良かったです!!

ソロモン役のジャイモン・ハンスーも格好良くて、存在感がありました。

アフリカの利権、ダイヤモンドをめぐる取り引き。
構図は単純化されすぎな嫌いもありましたが、鑑賞するのには分かりやすくて良かったです。

そんな中、少年兵の問題もきっちり描いていたことに驚きました。

以前、80年代のエルサルバドルが舞台の、少年兵の問題を扱った映画「イノセント・ボイス 12歳の戦場」を見ましたが、
その中では、少年の目線から問題を描いているものの、本質に迫ることがなかったので、より実体を知りたかった私にはこの映画のほうが見所がありました。

この映画は、少年兵の問題を真正面から取り上げたものではないけれど、それでもハリウッドが描いたことには大きな意味があると思います。

それに、ディカプリオが演じるこの映画の主人公アーチャーは、ヒーローでもアンチ・ヒーローでもないハリウッド作品にしては珍しい主人公ですよね。

自衛のためには少年兵を殺すことも厭わない。
そこでは、殺さなければ殺されるだけの世界なので、簡単に子供を死なせます。

ハリウッド作品で主人公が子供を殺すなんて、ちょっと考えられません。

舞台がアフリカだったことや、殺される子供たちが黒人のアフリカ人だったこともあるのかも…と、ちょっと思ったんですが、何よりもこれが現実だと言うのに抗えないですね。

それから、もう一つ好感を持ったのは、劇中にラブシーンが全くないことです(笑)。
ラブシーンを入れちゃうと、話のテンポが悪くなったと思うので、微妙な空気を匂わせて終わったのは良かったと思います!

この映画、ストーリーの緩急もすごくて、ちょっと一息つくと何が起きるので、まるで気が抜けなかったです。

アクション映画でもあり、シリアスな問題を扱ったドラマでもある稀有な作品でした。

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2007年4月28日 (土)

明日、君がいない

Two_thirty_seven 2時37分。
その時、世界にひとりぽっち。。。

■あらすじ■

見慣れた朝の光景。
それは、いつもと変わらない平凡な一日を過ごすかに見えた6人の高校生たち。

だが、ひとりひとりが誰にも打ち明けられない悩みや問題を抱え、今にも押しつぶされそうになっていることが、次第に明らかになっていく。

そして、午後2時37分。
悲劇は起きる・・・。

(2006/オーストラリア) ★★★★☆

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19歳で脚本を書き上げ、21歳で本作を完成させたムラーリ・K・タルリ監督。
初監督作品とは思えないほどの出来映えに驚きました。

高校が舞台になっていることや、最後に訪れる悲劇。 
効果的に使われるクラシック曲や、登場人物を追いかけ微妙にクロスする時間軸など、随所にガス・ヴァン・サント監督作「エレファント」との共通点を感じました。

大きく違うのは、「明日、君がいない」には登場人物のインタビューが挟み込まれていることでしょうか。

オープニングは、“2時37分”のその時から始まります。
気配の消えた部屋。
ドアの下から流れ出てくる鮮血。

誰かが血を流している・・・。
でも、誰が?

こうして、映画はその日の朝からの出来事を6人の登場人物を中心に描いてゆく。

成績優秀なマーカス(フランク・スウィート)と、その妹メロディ(テレサ・パルマー)。
鍛えた身体が自慢のルーク(サム・ハリス)と、ルークに夢中な恋人のサラ(マルニ・スパイレイン)。
イギリスから移住してきたスティーヴン(チャールズ・ベアード)は尿道と足に障害を持ち、
長髪でゲイのショーン(ジョエル・マッケンジー)はゲイであることからイジメを受けている。

それぞれが、時に怒り、時に絶望しながら、
“その日”を必死に生きている。

想像以上に各人の悩みが深くて重くて、心にズシンと来ました。

けれど、“2時37分”のその時、
一人が自らの命を絶とうとすることには、頭も心もついてゆけずに「なんで?なんで?なんで?」と、疑問符ばかりが並んでしまいました。

そうして、誰もが“その子”に対して耳を傾けず、注意を払わずにいたこと。
それは、映画の中のキャストだけでなく、私もその一人だったのだと気付いた時に愕然としてしまったのです。

自分の中で何か問題が起きた時に、他人を気遣う余裕をなくすのは分かる気もするけどね。

人は誰しも“自分だけの世界”を持っているものだと思う。
その中では自分を中心に“世界”が回ることもある。
けれど、そんな狭い“世界”の中に、自分ひとりぽっちだったら…なんて考えると、淋しくなります。

あと、自殺シーンはかなり生々しくて痛いものでした。
死ぬのだって苦しいのだな。。。

何度も何度も、自殺をためらう姿が誰かに助けを求めているようでもあり、痛ましかったです。

過ぎてしまえば、過去のことは何とだって言える。
だからこそ、大事なことは今、伝えないといけないんだな。 
そうやって、誰がとつながるっているんだ。

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2007年4月24日 (火)

ハンニバル・ライジング

Hannibal_rising ハンニバルには、拳銃よりもナイフが似合う。

■あらすじ■

1944年のリトアニア。
戦禍で両親を亡くしたハンニバル少年(アーロン・トーマス)は、幼い妹ミーシャ(ヘレナ・リア・タコヴシュカ)と2人で山小屋に隠れ住んでいた。

ある日、残忍な逃亡兵グループが山小屋を乗っ取り、か弱いミーシャは彼らに殺されてしまう。
その後、心を閉ざしたまま孤児院で成長したハンニバル(ギャスパー・ウリエル)は、やがて脱走し唯一の親類を求めてパリの叔父のもとへと向かう。

しかし、すでに叔父はこの世を去り、未亡人の日本人女性レディ・ムラサキ(コン・リー)が、ハンニバルを温かく迎える。
ハンニバルは彼女のもとで高度な教育を受けると共に、次第に心の奥底に封印されていた復讐の情念を目覚めさせていくのだが・・・。

(2007/アメリカ・イギリス・フランス) ★★★

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“ハンニバル・レクター”シリーズの「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」。
(ちなみに「レッド・ドラゴン」は、私の中では無かったことになってます・笑)。

その序章とも言うべき、人食いハンニバル誕生の秘密が描かれた今作。
レクター博士と言えば、イコール(=)アンソニー・ホプキンスだけど、その姿をちらりとも拝見できなかったのは残念!

ま、その分、ギャスパー君を御姿を拝見できるので良しとしますが。

ハンニバル・シリーズは、その都度、監督が違うので作品自体も雰囲気がガラリとかわるのが面白いですよね。

今回は1944年から始まることもあって、ちょっぴりノスタルジックな雰囲気を漂わせていました。

しかし、レディ・ムラサキが登場すると、それも終わる。
欧米人の日本文化への興味は嬉しいけれど、一括りにアジア文化と混同してそうな気も。

SAYURI」に続き、またしても日本人役を演じているコン・リーに罪はないと思うけど、やっぱり違和感がぬぐえないのが実情です。

ミーシャのトラウマ、犯人たちへの抑えがたい復讐心、レディ・ムラサキへの恋心・・・。
そして、迫り来る殺人事件の捜査。

全体的に、どれも見所になり得ていないのが惜しまれます。

そもそも、「ハンニバルは死なない」ことは最初から分かりきっていることですよね。
なので、いかに“人食いハンニバル”へ変貌していくのかや、その残忍性にいやでも注目してしまいます。

でも、そこに手に汗握るドキドキや、あっと驚く映像や展開がありませんでした。

むしろ、その後どうなったのか気になる終わり方。
2人はそのまま、無関係に生きていくんですか?

また、どこかで出会いそうな気もするけど、
私は、レディは人を殺しているので、その罪に耐えかねて自害するかと思いました(笑)。
たくましい女性です。

それに、どうせならハンニバルが整形手術をして、顔が変わるところまで見たかったな・・・。

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2007年4月23日 (月)

ラブソングができるまで

Music_and_lyrics 落ちぶれ具合が妙にリアル。

■あらすじ■

80年代に一世を風靡したバンド“PoP”の元ボーカル、アレックス(ヒュー・グラント)は、現在ではすっかり忘れられた存在となっていた。

そんな彼のもとに、若者に絶大な人気を誇るカリスマ歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から、新曲を提供してほしいという依頼が舞い込む。

またとない復活のチャンスだったが、曲を書くのは10年ぶり。
売れっ子作詞家を自宅に呼んで、早速、曲作りに取り掛かるが、なかなかピンとこない。

そんな時、観葉植物の手入れに来ていたアルバイトのソフィー(ドリュー・バリモア)が口ずさむフレーズを耳にしたアレックスは、彼女の作詞のセンスを確信する。
渋るソフィーを強引に説得し、二人三脚の曲作りをスタートさせるが・・・。

(2007/アメリカ) ★★★★☆

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オープニングから“PoP”の80年代PVが流れて、笑ってしまいました。
微妙なダサ加減が絶妙ですね。

そんな元アイドル、ヒュー様の現状が妙にリアリティがあって説得力がありました。
ライヴを行うと言っても、それは同窓会のゲスト出演だったり、遊園地の興行だったり。

ヒット曲を持っているから、売れない演歌歌手がするようなドサまわりはしないけど、呼ばれるイベントは限られてしまっているんですね。

でも、当時の青春時代を共に過ごした女性たち(つまりは、オバサマたち)には、いまだ根強い人気がある!
ちょっぴり、オバサマたちに混じって一緒に黄色い歓声を飛ばしたくなってしまいました(笑)。

ヒュー様は元アイドル役なので、遊び人風なキャラクターなのかと思いきや、そうでもなかったし、あの笑顔で更に好感度が増してしまう~。

一方のドリューも魅力的で可愛らしかったです。

ただ、ストーリー的には、
素人の植物の世話人に いきなり作詞を頼んだり、小説のモデルがどうのと言うエピソードは、ありきたりな展開だし、さほど面白いものではなかったです。

けど何故か、2人を微笑ましく見守ってしまう映画でした。

無理やり笑わせようとしてないところも良かったし、イヤミな人も出てこないのも良かった!
ヒュー様のマネージャーも良い人だったしね。

カリスマ歌姫のコーラちゃんを演じたヘイリー・ベネットは、可愛らしい人だったので てっきりモデルさんかと思いました。

そんな彼女の歌は、歌詞も凄かったですけど、踊りもストリップみたいで、やり過ぎですよね。
実は、それは現状の音楽界を揶揄してのことだったりするんでしょうか?
そうだったら、ちょっと深いかも(笑)。

それでも、トップになるために踊らなきゃいけない彼女は、ちょっぴり可哀そうにも思えるけど。

思いの他、ヒュー様の歌がたくさん聞けたし、2人の魅力が満載のほのぼのしたラブコメディでした。

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2007年4月22日 (日)

★非常事態★

現在、時間の余裕がなくて記事が溜まりに溜まって大変なことになっております。

出来るだけ早く、感想をアップしたいと思っていますが、目途がつかないので先に満足度評価のみ載せておくことにします。

■劇場鑑賞作品

蟲師」 ★★★☆
「デジャヴ」 ★★★
ホリデイ」 ★★★
アンフェア the movie」 ☆
「プロジェクトBB」 ★★★
「大帝の剣」 ☆
ブラッド・ダイヤモンド」 ★★★★☆
「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」 ★★★☆
「ツォツィ」 ★★★★
「サンシャイン 2057」 ★★★
「ロッキー・ザ・ファイナル」 ★★★
ハンニバル・ライジング」 ★★★
ラブソングができるまで」 ★★★★☆
クィーン」 ★★★★

■DVD etc.鑑賞

「ラストデイズ」 ★★
「グリーン・デスティニー」 ★★

感想って生ものですよね。
どんどん腐って・・・否、忘却の彼方へ飛んで行ってしまっているので、ちょっと焦ってます。

果たして、ちゃんと記事になるのかな? 
アップ出来なかったら、ごめんなさい。

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2007年4月18日 (水)

蒼き狼 地果て海尽きるまで

Aoki_ookami 大河ドラマ in モンゴル

■あらすじ■

部族間の闘争が激化していた12世紀のモンゴル。

ボルジギン族の長、イェスゲイ・バートル(保阪尚希)に略奪されたホエルン(若村麻由美)はイェスゲイの子供を出産。
テムジンと名付けられた。
その子が、のちにモンゴルを統一したチンギス・ハーンに成長する。

14歳になったテムジン(池松壮亮)は父親と嫁取りに出かけ、ボルテと婚約する。
しかし、先に帰った父親は対立する部族に殺害されてしまう。

母親が敵から略奪された身である事を理由に、部下たちから見捨てられ、部族はテムジン一家を置いて去ってゆく。
その地に留まり、細々と暮らすテムジン一家だったが、血を分けた腹違いの弟から罵しられ、テムジンは弟を手にかけて殺害してしまう。

やがて青年に成長したテムジン(反町隆史)はリーダーとしてのカリスマ性を発揮。
そしてボルテ(菊川怜)を妻に迎え、次第に勢力を拡大するのだったが・・・。

(2006/日本・モンゴル) ★☆

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モンゴル建国800年記念作品。

だからって、なぜ日本人キャストでこの映画を作ったのか、よく分からないですけど、
オール・モンゴルロケなら、キャストもモンゴル語(?)を喋るくらいの意気込みが欲しかった。

なんかね、日本語のセリフが妙に時代がかっていて、大河ドラマを見ているようでした。
「そなた」とか「アッパレ」とか、モンゴル語にもあるの?

映画はどこまで史実なのか、よく判らなかったんですが、
テムジン(チンギス・ハーン)の母親はメルキト族の出身で、そこの首長と結婚していたんだけど、新婚ホヤホヤの時にボルジギン氏族の族長に略奪されて、テムジンを産んだんですね。

テムジンの父親である族長が死ぬと、そのことからテムジンは本当にボルジギン氏族の血筋なのかを疑われ、部族のみんなが離れていってしまう。
出生の秘密に悩むテムジンだったけど、その後、同じことが自分の息子にも起こってしまう。

ようやく妻に迎えたボルテを今度はメルキト族に略奪されてしまう。
ホエルンがボルジギン族に略奪された行為をメルキト族は根に持って、その報復に来たのだ。
半年後に取り返した妻ボルテのお腹の中にはすでに・・・。

どちらの子か分からないまま生まれた我が子を愛せないテムジンは、子供に“よそ者”と言う意味のジュチ(松山ケンイチ)と名付ける。

こうして、自分の出生に悩んでいたはずのテムジンから、父に愛されないジュチは苦悩へとテーマがすり替わっていきました。

親子2代に渡って因果が巡るのは興味深かったですけど、チンギス・ハーンの人間性がイマイチ不明でした。

特に、チンギス・ハーンのカリスマ性みたいなものが、全く描かれていなかったように思います。

部族のみんなに見放され、一時は家族だけしか残っていなかったのに、やがてポツリポツリと人々が戻り、勢力を盛り返してくる。
遂には、他部族から人々が流入してきて、一大勢力に発展する。

そこのところで、何故、ジャムカ(平山祐介)じゃなくてテムジンなのかが、全く説明されません。
なんでだろーね。で、終わってしまっているのです。
大事なところじゃないのかなー。

モンゴル部族統一を夢見た野心家のジャムカに比べると、テムジンは望んで望まれてモンゴル統一を果たしたって言うより、成り行きでそうなっちゃったって感じがしました。

だから、統一を果たして「王」になる時の即位式も、あまり感動しなかったです。

焦点がぼやけすぎた印象ですが、一番頂けなかったのは女兵士クラン(Ara)のエピソードでしょうか。

それまで、テムジンには愛妻家の印象を持っていたので、一気に好感度が下がりました(笑)。

しかも、クラン役のAraは日本語が下手すぎてビックリです。
韓国の16歳が大抜擢されたってことで注目してたんですが、抜擢した意味はあったのかな?
角川春樹は気に入っているみたいですけど。

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2007年4月17日 (火)

東京タワー ボクとオカンと、時々、オトン

Tokyo_tower 他人のオカンは、やっぱり他人。

■あらすじ■

1960年代の福岡県、小倉。
オトン(小林薫)に愛想を尽かしたオカン(内田也哉子)は、3歳のボクを連れて筑豊の実家に戻ると、妹の小料理屋を手伝いながら女手一つでボクを育てた。

1970年代。
15歳となったボクは、大分の美術高校に入学し、オカンを小さな町に残し下宿生活を始めた。

1980年代。
ボク(オダギリジョー)は美大生となり憧れの東京にやって来た。
仕送りしてくれるオカン(樹木希林)に申し訳ないと思いながらも、学校へもろくに行かず自堕落な日々を送ってしまう。

留年の末どうにか卒業したものの、その後も相変わらずフラフラした生活を送り借金を重ねていたボク。
そんな中、オカンが癌に侵されていることが分かり・・・。

(2007/日本) ★★★

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ベストセラーになった原作もTVドラマも見ていないのですが、原作は「泣ける!」と評判ですよね。
映画を見てから、原作を読むか決めようと思ってたんですが、それが失敗だったのでしょうか?

もっと身近に感じるられような映画かと思っていました。
最初から最後まで映画と自分の距離が縮まらなくて、普通に「ある親子の家族の歴史」を見せられたのに、ややビックリ。

親子愛の普遍性を描いてもいるけど、如何せん、放蕩息子のボクに感情移入できない・・・。

こんな私は誰に感情移入すればいいのか・・・。
そんな訳で、ずっと第三者の視線でした。

放蕩息子なボクは、オトンの遺伝子を受け継いだからとも言えるけど、「時々、オトン」は割りと真っ当な人でもあったんだね。
もっと、ちゃらんぽらんな人かと思ってました(失礼)。

酔って暴力を振るうのは許せないけど、「時々、オトン」なりに要所で父として息子を導く存在に成り得ているんだよね。

一緒には暮らしていないけど、ちゃんと家族。

そんな関係が自然に描かれていて、多種多様な昨今の家庭事情から鑑みても、あまり違和感を感じなかったです。

それよりもボクが自堕落な生活から、一気に華やかな世界に身を置くギャップに驚いてしまいました。
もともとの才能が開花したのか、人間やれば出来るのか・・・。

なんだかんだ言っても、オカンの残した「箱」にあった手紙には、涙腺が緩んじゃったんですけどね。

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2007年4月12日 (木)

オール・ザ・キングスメン

All_the_kings_men 昔、あるところに、善良な市民が一人おりましたとさ。

■あらすじ■

1949年、ルイジアナ州メーソン市。
出納官を務める実直な男ウィリー(ショーン・ペン)は、小学校建設に絡む役人の汚職を告発して逆に自分が職を追われるハメになってしまう。
その事件を担当したのは、上流階級出身の新聞記者ジャック(ジュード・ロウ)。

やがて、その小学校で欠陥工事が原因の事故が起こり、ジャックは一躍注目の存在となったウィリーをまたもや取材することに。

そこに州の役人タイニー(ジェームズ・ガンドルフィーニ)が現れ、ウィリーを知事選に出馬するよう担ぎ出す。
しかしそれは、対立候補の票を割るためのタイニーの策略だった。

ことの真相をジャックから聞かされたウィリーは、与えられていた演説原稿を破り捨て、自分の言葉で聴衆に語り始める。
この演説が貧しい人々の心を打ち、ウィリーは地滑り的勝利を収め、ついに知事の座を射止めるのだったが・・・。

(2006/アメリカ) ★☆

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1949年の同名映画「オール・ザ・キングスメン」のリメイク作。
んー、なぜ今リメイクするのか意義を見出せなかったですが、キャストの顔ぶれがスゴイので見てきました。

でも、キャストの割りに地味な作品でした。。。

つまらない訳じゃないけど、退屈だったのは確かです。
何度か睡魔に襲われました。

映画は結構、単純なストーリー。
愛妻家で、酒も飲まない実直で真面目な男が、権力の座に登り詰めて独裁者へと変わり、堕ちてゆくまで。

今日でも通用する普遍的な問題だと思うのですが、如何せん時代設定が1949年。
しかも語り部が富裕階級のジュード・ロウなものだから、取っ付きにくくて仕方がなかった。

ジュードは傍観主義者を気取っているけど、言ってみればショーン・ペンの腰巾着。
自分は上流階級出身で安全なところにいるから傍観もしていられるわけで、ちょっとズルイよね。

初恋の女性・アン(ケイト・ウィンスレット)との関係も、アーウィン判事(アンソニー・ホプキンス)との関係も、中途半端で描き込み不足な感じがしました。

ホリデイ」では、ケイト・ウィンスレットとジュード・ロウは兄妹だったけど、今回はニアミス・カップルなんだね。
でも、ケイトはミス・キャストだったかも・・・。
と言うか、金髪が似合ってなかったと言うべきか?

10代(?)の若かりし頃を演じるには、ジュードもケイトもマーク・ラファロも無理がありすぎでした。

知らなかったんですが、この映画って実在した人物の話なんですね。
元になったのは、30年代に州知事から上院議員になったヒューイ・P・ロングと言う人物だそうです。
やっぱり、政治の世界には魑魅魍魎が住んでるんですね。

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2007年4月 8日 (日)

ハッピー フィート

Happy_feet 皇帝ペンギン主演のミュージカル♪

■あらすじ■

南極大陸の皇帝ペンギンたちが何より大事にしていることは、自分だけの“心の歌”を見つけること。

ところが、メンフィス(ヒュー・ジャックマン)とノーマ・ジーン(ニコール・キッドマン)夫妻に生まれたマンブル(イライジャ・ウッド)の歌声は誰もが耳を塞ぎたくなるほど酷いもの。

マンブルは歌の代わりに誰にもマネの出来ない華麗なステップを踏むが、誰からも理解されずに仲間はずれにされてしまう。

落ち込むマンブルの前に5羽のアデリー・ペンギンが現れる。
彼らに褒められ励まされたマンブルは自信を取り戻してゆくが・・・。

(2006/オーストラリア・アメリカ) ★☆

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今年度のアカデミー賞で、長編アニメ賞を受賞したんだよね。

字幕版で見たかったんだけど、時間の都合上やむなく吹き替え版での鑑賞でした。。。
でも、歌の部分は字幕が入るのね~。
だったら、やっぱり字幕版のほうが良かったな。

肝心の歌も“愛についてのエトセトラ”を歌った曲とかあって、子供向けってカンジはしなかったです。
これって、子供が見ても面白いのかな??

映画も、ここまで動物を擬人化されると違和感を感じてしまってストーリーに入り込めませんでした。

余談ですが、
最近、動物ドキュメンタリーでも、好き勝手に動物の気持ちをナレーションに入れたりしてますよね。
変だと思うので控えめにして欲しいです。

話は戻ってこの映画。
皇帝ペンギンの“愛=歌”についてだけではなく、環境問題にも話を広げていました。

ただ、そこまで話を持っていったにしてはオチがイマイチでした。

言葉じゃなくても通じ合えるもの。
それがマンブルの“心の歌=心のステップ”。

どうしてかは分からないけど、人間と話が通じ合ってしまったなんて都合が良すぎるにも程があるよ。
そこできちんと、マンブルがステップで以心伝心出来ることを描かなくてどうするんだって思いました。

結局、マンブルが仲間のもとに帰った時も、
「とりあえず、みんな踊って!」ってだけで、仲間はずれにされたマンブルが自慢のステップで仲間だと認めてもらう訳じゃないんだよね~。

マンブルのステップに思わず反応して歌うグローリア(ブリタニー・マーフィ)のシーンがこの映画の一番の山場でした。

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2007年4月 7日 (土)

あかね空

Akanezora 冷奴に湯豆腐、油揚げ、終いにはガンモドキ。

■あらすじ■

江戸の深川蛤町。
京の由緒ある豆腐屋で修行を積み、自分の店を持つため江戸へとやって来た青年・永吉(内野聖陽)は、深川生まれの元気な娘・おふみ(中谷美紀)と出会う。

念願だった自分の店“京や”を開く永吉だったが、江戸の豆腐とは大きさも固さもまるで違う“京や”の豆腐は江戸の人々にはなかなか受け入れてもらえない。
落ち込む永吉を、おふみは持ち前の明るさで励まし続ける。

そんな中、清兵衛(石橋蓮司)の妻おしの(岩下志麻)は、幼くして行方知れずになった息子の面影をを永吉に重ね合わせるが・・・。

(2006/日本) ★☆

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お豆腐って大好きです。
お味噌汁の具に入っているだけでも嬉しいけど、シンプルにお湯に通しただけの湯豆腐でも大満足。

そんな豆腐屋が舞台の江戸人情話。。。
けれど、人情を描きたかったのか、夫婦愛を描きたかったのか、家族愛を描きたかったのか、最後には良く分からずじまいに終わってしまいました。
たぶん全部なんだろうけど。

永吉とおふみの関係で最後までストーリーが進むんだと思っていたので、あの急展開には驚きましたが、やっぱり、そこから歯車が狂っていったカンジです。

傳蔵親分(内野聖陽・2役)のサイド・ストーリーが簡潔にしか描かれないから、傳蔵親分の心の中がさっぱり伝わってこないのです。
豆腐の記憶に目覚めた!とか、
それなりの解釈はできるけど、良い人なのか?悪い人なのか?
ただの気まぐれか。

真っ直ぐな心根の永吉のキャラクターは良かったし、好きでした。

でも、中谷美紀のおふみの娘時代とその18年後の変わりようは凄まじかったです(笑)。
顔は変わらず可愛らしいままなのに、性格がかなりきつくなっていてビックリしました。
声音を低くしたりと頑張ってはいたけど・・・。

18年後のストーリーでは、永吉とおふみの間に3人の子供たちがいて、
長男の栄太郎(武田航平)が家族の間に確執抱えてグレていっちゃう筋立てです。
最終的には家族愛に終結するのは見え見えだけど、これが全く持って共感できない。

栄太郎がグレる要因も説明されるけど、次男の悟郎(細田よしひこ)が良く出来た息子なので、存在が霞むんだよね。
見ていても。

「子供は親の背中を見て育つ」って言うけど、その典型です。

栄太郎は奉公に出され、外回りをさせられ、父親の働く姿を見る機会がなかった。
一方の悟郎は、父親から手取り足取り仕事を教わっていた。

育ての違いがくっきり性格にも現れていたのでした。

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2007年4月 1日 (日)

ルワンダの涙

Shooting_dogs 贖罪の記憶から生まれた映画。

■あらすじ■

ルワンダの首都・キガリ。
イギリス人のジョー(ヒュー・ダンシー)は、クリストファー神父(ジョン・ハート)の運営する公立技術学校(ETO)で英語教師として働いていた。

ツチ族の少女マリー(クレア=ホープ・アシティ)をはじめ、生徒たちと触れ合いながら日々を送るジョー。
しかし彼はBBCの取材クルー、レイチェル(ニコラ・ウォーカー)からフツ族がツチ族を虐殺している事を耳にする。

そしてある夜、事態は急変。
フツ族の大統領機墜落を機に、フツ族がツチ族の大量虐殺を始める。

怯えるツチ族の人々は、国連から派遣された平和維持軍が駐留するクリストファー神父の学校へ避難してくるが・・・。

(2005/イギリス・ドイツ) ★★★★☆

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ホテル・ルワンダ」でも描かれていた、1994年4月のルワンダ大量虐殺(ジェノサイド)事件。
この映画は、現地にいた白人の視点から事件を見つめていることが「ホテル・ルワンダ」との大きな違いかな。

フツ族がツチ族を虐殺するまでに至る憎しみの歴史や時間経過は「ホテル・ルワンダ」の方が親切に描いていました。
先に「ホテル・ルワンダ」を見ておくと、理解しやすいかもしれないです。

そして映画の案内役としてイギリス人青年が登場するのは、構成として「ラストキング・オブ・スコットランド」に似てるなって、ちょっと思いました。
クリストファー神父は実在の人物をモデルにしていて、ジョーは特定のモデルはいないものの、現地で知り合った人々からインスピレーションを得て創造されたそうです。

映画が始まってクーデターが起きると、学校と外の世界が遮断してしまう。
「ホテル・ルワンダ」でもそうだったように、敷地内に立てこもり、駐留している平和維持軍を盾に身を守る術しかない。

そんな中、外国人(白人)であることや、教師という身分だけを持って、学校から外へ飛び出すジョー。
内と外。
ストーリーは、その繰り返し。
だから、やや単調にも感じられましたが、だんだんと緊張感が高まっていく展開でした。

もうひとつ、この映画でポイントに感じたのは“神”の存在。
人が人を殺すこと。
言葉で神の愛をいくら説いても、虐殺行為を前に自分の柱がぐらつく程の衝撃を受けてしまう。

人はどこまで残酷になれるのか。
そして、そんな人を自分は許し、愛せるのか。

最終的には、やっぱり神に精神的な支えを得るので、西欧の映画らしいなって思いました。

「なぜ、私たちを置いて逃げたの?」

マリーのセリフが重くのしかかるけど、マリー自身も生き延びてしまった負い目を持っているのでしょう。
そんな負い目から、この映画は作られたんだと思います。
決して忘れないために。 

個人的にはもう少し、学校内に避難してきたフツ族、ツチ族の様子も知りたかったんですが、平和維持軍が去り行く後半は、涙なくして鑑賞できなかったです。

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