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2007年4月 1日 (日)

ルワンダの涙

Shooting_dogs 贖罪の記憶から生まれた映画。

■あらすじ■

ルワンダの首都・キガリ。
イギリス人のジョー(ヒュー・ダンシー)は、クリストファー神父(ジョン・ハート)の運営する公立技術学校(ETO)で英語教師として働いていた。

ツチ族の少女マリー(クレア=ホープ・アシティ)をはじめ、生徒たちと触れ合いながら日々を送るジョー。
しかし彼はBBCの取材クルー、レイチェル(ニコラ・ウォーカー)からフツ族がツチ族を虐殺している事を耳にする。

そしてある夜、事態は急変。
フツ族の大統領機墜落を機に、フツ族がツチ族の大量虐殺を始める。

怯えるツチ族の人々は、国連から派遣された平和維持軍が駐留するクリストファー神父の学校へ避難してくるが・・・。

(2005/イギリス・ドイツ) ★★★★☆

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ホテル・ルワンダ」でも描かれていた、1994年4月のルワンダ大量虐殺(ジェノサイド)事件。
この映画は、現地にいた白人の視点から事件を見つめていることが「ホテル・ルワンダ」との大きな違いかな。

フツ族がツチ族を虐殺するまでに至る憎しみの歴史や時間経過は「ホテル・ルワンダ」の方が親切に描いていました。
先に「ホテル・ルワンダ」を見ておくと、理解しやすいかもしれないです。

そして映画の案内役としてイギリス人青年が登場するのは、構成として「ラストキング・オブ・スコットランド」に似てるなって、ちょっと思いました。
クリストファー神父は実在の人物をモデルにしていて、ジョーは特定のモデルはいないものの、現地で知り合った人々からインスピレーションを得て創造されたそうです。

映画が始まってクーデターが起きると、学校と外の世界が遮断してしまう。
「ホテル・ルワンダ」でもそうだったように、敷地内に立てこもり、駐留している平和維持軍を盾に身を守る術しかない。

そんな中、外国人(白人)であることや、教師という身分だけを持って、学校から外へ飛び出すジョー。
内と外。
ストーリーは、その繰り返し。
だから、やや単調にも感じられましたが、だんだんと緊張感が高まっていく展開でした。

もうひとつ、この映画でポイントに感じたのは“神”の存在。
人が人を殺すこと。
言葉で神の愛をいくら説いても、虐殺行為を前に自分の柱がぐらつく程の衝撃を受けてしまう。

人はどこまで残酷になれるのか。
そして、そんな人を自分は許し、愛せるのか。

最終的には、やっぱり神に精神的な支えを得るので、西欧の映画らしいなって思いました。

「なぜ、私たちを置いて逃げたの?」

マリーのセリフが重くのしかかるけど、マリー自身も生き延びてしまった負い目を持っているのでしょう。
そんな負い目から、この映画は作られたんだと思います。
決して忘れないために。 

個人的にはもう少し、学校内に避難してきたフツ族、ツチ族の様子も知りたかったんですが、平和維持軍が去り行く後半は、涙なくして鑑賞できなかったです。

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Cinema 2007」カテゴリの記事

コメント

今晩は!
この作品は凄く何とも言えない気持ちになりました。
まず同じ国民同士なのに何故殺し合うのか、部族間抗争ということに
なるんだろうけど、一つの部族であり島国である日本人には
理解できないことなのかな?私は彼らの考え方のほうが
おかしいと思うだけど
凄くいろイロイロと考えさせられました。

投稿: せつら | 2007年11月21日 (水) 22時22分

>せつらさん

こんばんは!
コメント、ありがとうございます。

部族の違いだけで、隣人同士が殺しあう現実は想像できないですよね。

聞きかじった情報では、
ルワンダが植民地支配から独立した時に、ツチ族に支配権を持たせたことで、フツ族の反発を買ったことが要因の1つだった気がします。
その後、クーデターが起きてフツ族が支配権をにぎるのですが、フツ族のツチ族に対する反感は消えず、積もり積もって爆発。

個人的には「ホテル・ルワンダ」でも描かれていたように、ラジオから扇動的な内容が発信されてフツ族が暴動に至る経緯に興味を持ちます。
NHKの特集でも、虐殺行為に加担したフツ族の人は、自分は洗脳されてたんだって言ってました。

悪意を植えつけるだけで、
それを育てるのは簡単なことなんですよね。

それが、殺戮行為にまでエスカレートしても、
疑問を持たないのだから
怖い・・・。

余計な話ですが、、、
最近の日本のマスメディアも一方向に国民の感情を煽るような報道が多い気がして心配です(笑)。

「ホテル・ルワンダ」はこれから、ご覧になるのですね!
是非、見てください!!

投稿: 双葉 | 2007年11月22日 (木) 01時13分

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