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2007年5月28日 (月)

主人公は僕だった

Stranger_than_fiction 全知全能の神の声。

■あらすじ■

国税庁の会計検査官ハロルド・クリック(ウィル・フェレル)は、規則正しく単調な毎日を送る平凡な男。
ところがある朝、彼の頭の中に女性の声でナレーションのようなものが聞こえ出す。

断続的に語られる声の主は、文学的な表現でハロルドの行動を的確に描写していくが、ある時、ハロルドに死が近づいていることが分かってしまう。

どこかで自分を主人公にした小説が書かれていると疑うハロルドは、文学を専門とするヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に助けを求め、悲劇的な結末を回避しようと奔走するが・・・。

(2006/アメリカ) ★★

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コメディアンのウィル・フェレルが主演ですが、監督は「チョコレート」、「ネバーランド」、「STAY/ステイ」のマーク・フォスターなので、コメディ作品ではなかったです。

プロットは面白いと思うんですけどね、笑える映画ではなかったです。
なんとなく、映画ではなく小説の方が向いてそうな印象を持ちました。

平凡で退屈な日常を送る主人公の頭の中に、ある日“ナレーション”のような声が響きだす。
他の人には聞こえず、自分にしか聞こえない“声”。

いかにも映画的な映像だし、これ以外はないってくらいにオーソドックスなものだけど、なんだか今ひとつな気持ちになりました。
たぶん、いきなり主人公と同じ土俵の上に立たされるからだと思います。
いわゆる主人公目線の映画ってやつですね。

でも、あんまり主人公に魅力を感じなかったんですよねぇ・・・。

映画そのものも、成り立ちと言うか、主人公と小説がどのような関係なのかが良く分からなかったです。
作家のカレン(エマ・トンプソン)が物語を紡ぐと主人公の行動が決まるのか、すでに紡がれた物語を主人公がなぞっているのか。。。

これは“ニワトリが先か、卵が先か”の水掛け論になってしまうけど、電話が鳴るシーンで同時進行であることが明示されていました。
でも、そこで主人公の行動が小説に追いついたとも考えられるので、もう少し小説と主人公の関係がハッキリしていた方が、ストレスなく鑑賞できたかも(笑)。

それに厳格に小説の内容をなぞって行動している、またはハロルドの行動が全て小説の内容になっている訳ではなくて、いろいろと自由に動き回れるんですよね。
当たり前か(笑)。

ハロルドが、“僕は変われるのに、なぜ死ななくてはいけないのか”とヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に問うシーンは、もっともだと思いました。

悲劇作家のカレンも最後に変化を見せるように、“人は変われる”ということがテーマの映画だった気がします。

パン屋のアナを演じたマギー・ギレンホールと、ダスティン・ホフマンが、軽妙な演技で好演していただけに、悲劇作家の苦悩を演じたエマ・トンプソンの演技が重すぎ&上手すぎて、ちょっと浮いてる感じがしました。

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2007年5月13日 (日)

恋愛睡眠のすすめ

Science_of_sleep ハンドメイドの手作り感がとってもキュート!

■あらすじ■

ステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)は心機一転、新しいスタートを切ろうとメキシコから母親を頼ってパリにやって来る。
ところが、紹介された仕事は望んでいたイラストレーターではなく、退屈なカレンダーの製版係だったのでガックリ。

そんな矢先、アパートの隣りに素敵な女の子ステファニー(シャルロット・ゲンズブール)が越してくる。
けれど、シャイで不器用なステファンはステファニーに“隣人であること”さえ言えず、想いが空回りするばかり。

ステファンは、夢の中で思いを具現化させていく。
やがて、ステファンは夢と現実の区別がつかなくなり、ステファニーとの関係もギクシャクし始めるが・・・。

(2006/フランス・イタリア) ★★★★

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エターナル★サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー監督作品なので、とても楽しみしていました!

相変わらずの奇天烈ぶりで、可愛くて楽しい映画でした。

夢の中の“ステファンTV”(笑)。
誰にも邪魔されない夢の中では、自分が主役!
なんだって出来る!!

普段から夢と現実を行き来しているステファンは、いつしか夢と現実の境目が曖昧になってゆくけど、見ている私も混乱していきました。
特に、災害カレンダーがヒット商品になるあたりが・・・。

その後は、一方的にステファンが取り乱してステファニーとの悪化させてしまうので、ちょっと唖然(笑)。
えええ、何を言い出すのだ。君は!って感じです。

なんとなぁく、2人は上手くいきそうな雰囲気で終わるけど、ラストは明確には描かれません。
上手くいきそうで、すれ違うステファンとステファニー。

夢見がちで思い込みの激しいステファンと付き合っていくのは、ものすごく大変そうだなって、思います。
果たして、上手くいくかなー??

あとは、もう少しトキメキがあれば・・・(トキメキ願望症)。

ステファンはシャイすぎて、気になる女の子にそんな素振りも見せられないほどなんだろうけど、いつの間に恋に落ちてたんだろう?って気がしちゃうので、ステファニーを好きな描写が最初にあると良かったな。

中盤あたりは、ステファンの怪しすぎる行動の数々にはクスクス笑いがこぼれてしまって、かなり楽しかったです!

ガエル君のキュートな魅力はもちろんのこと、シャルロット・ゲンズブールの自然体な佇まいもステキでした!

映画を見るって言うより、俳優を見る映画だったかも。。。

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2007年5月 8日 (火)

クィーン

Queen オープンに思えても、
カーテン越しに覗き見ることしか出来ないところ。

■あらすじ■

1997年8月31日。
チャールズ皇太子との離婚後も世界中の注目を集め続けたダイアナ元皇太子妃が、自動車事故に遭い帰らぬ人となった。

悲しみに暮れる英国国民の関心は、かねてから不仲が取り沙汰されたエリザベス女王(ヘレン・ミレン)へと向けられるが、
すでに王室を離れ一民間人となったダイアナ元妃に対して、コメントを発表する立場にはないと、女王は頑なに口を閉ざす。

そんな女王の態度は、国民の目には薄情としか映らず、やがて国民の非難が寄せられるようになる。

首相に就任したばかりの若きトニー・ブレア(マイケル・シーン)は、国民と王室が離れていくことに危機を感じ、その和解に力を注いでいくが・・・。

(2006/イギリス・フランス・イタリア) ★★★★

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映画って、私にとっては現実逃避だったりするんですが、他にも覗き見趣味的なところがあったりします。

普段見ることのない世界を見て、知ることのない世界を知る。

ドキュメンタリー作品には“現実=リアル”が映されているけれど、フィクションって作られた“ドラマ”ですよね。

この作品は、ダイアナ元妃が事故死した時にエリザベス女王が取った行動を描く内幕物、実録ドラマ。
どこまで事実を盛り込んであるのかは判りませんが、再現ドラマではなくフィクションって感じがしました。

アカデミー賞主演女優賞を獲得したヘレン・ミレンのエリザベス女王の演技も“似ている”のか“似ていない”のは、よく分かりません。
けど、それらしい気品を感じさせる演技でした。

他の登場人物に至ってもそうです。
ブレア首相や、フィリップ殿下(ジェームズ・クロムウェル)、チャールズ皇太子(アレックス・ジェニングス)・・・

もともとの人物について詳しくないので、似ているかどうかで映画を見ることにならなかったのは、良かったのかもしれません(笑)。

けれど、知らないからこそ驚いたキャラクターもいました。

それは、フィリップ殿下とブレア首相夫人(ヘレン・マックロリー)!
フィリップ殿下の口の悪さにはビックリしたけど、
ブレア首相の奥さんも相当にアクの強い人でした。

周知の事実だからこそ描けたんでしょうね(笑)。

映画では、ブレア首相の“いい人”ぶりが際立っているように感じられたんですが、周りにくせ者が揃っていたせいかな?

チャールズ皇太子は最初、ダイアナを庇ったりもして、いい人っぽく登場するけど密かに画策したりと、やっぱり食えない奴でした。

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2007年5月 4日 (金)

バベル

Babel 世界は狭い。。。

■あらすじ■

モロッコの険しい山間部を走る一台のバス。
そこに乗り合わせた一組のアメリカ人夫妻、リチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)。

ところが、遠くから山羊飼いの少年が放った銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃する。

一方、夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たち(ネイサン・ギャンブルエル・ファニング)の面倒をみていたメキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラーザ)。
息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。

仕方なく、子供たちも一緒に連れて甥のサンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)が運転する車で、メキシコへと向かう決断をする。

捜査の結果、ライフルの書類上の所有者は、日本人の会社員のヤスジロー(役所広司)だと判明する。
ヤスジローの妻は半年前に自殺し、ショックを受けた高校生の娘チエコ(菊地凛子)との心の溝も大きくなりつつあった。

聾唖(ろうあ)であるチエコは何かにつけて父親に反抗し、満たされない日々に孤独と絶望を募らせ・・・。

(2006/メキシコ) ★★★

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3大陸4言語というスケールや、予告編の印象からグローバルな映画を想像していました。

蓋を開けてみたら意外にもパーソナルな映画だったので驚きでした。

モロッコの兄弟やアメリカ人夫妻、日本の親子、乳母と子供たち・・・
描かれるのは小さなつながり。
そこでのディス・コミュニケーション。

些細なすれ違いが摩擦を生んで相互理解を隔ててしまう。

中には世界中に知り合いがいる人もいるだろうけど、それでも、地球上に生きる全ての人と知り合えるわけじゃない。
ほんの一握りの人と関わりあって、一人ひとりの世界が築かれている。
世界って、とても小さいなぁ。

だけど、どこかで他の人と必ずつながっていて、どんどん世界は大きくなる。

そんなことを感じつつも期待が大きかっただけに、ストーリーに深みがなくてメッセージが弱い気がしました。

悪い映画ではないけど、心揺さぶられるものがなかったし、人に勧めたくなるような映画ではなかった・・・って感じかな。

悲劇ばかりではなく、かすかな希望を感じさせるラストにもなっているけど、
メキシコ編のアメリアや、モロッコの兄弟のことが引っかかって、そう単純に希望と感じることも出来なかったです。

ただ、日本編の高校生たちの描写は、外国人が撮ったにしては美化され過ぎず、イメージの押しつけもせずに、“のーてんきぶり”がかなりリアルに映ってるんじゃないかなぁ。
ちょっと情けなくもあるけど・・・。

けど、チエコの家はブルジョワなんですね!
庶民とかけ離れた豪華なマンション(億ション?)に住んでいました。

それから、モロッコ編の弟クンは初めてライフルを手にしたにしては、狙撃の腕前が上手すぎです。
生まれてきた環境が違っていれば、オリンピックの射撃で金メダルが取れたかも。。。

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