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2007年7月 3日 (火)

善き人のためのソナタ

Lives_of_others 監視国家の中で喜びを知る。

■あらすじ■

1984年、壁崩壊前の東ベルリン。
国家保安省“シュタージ”の局員ヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は国家に忠誠を誓う真面目で優秀な男。

ある日彼は、劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と舞台女優である恋人のクリスタ(マルティナ・ゲデック)を監視し、反体制の証拠を掴むよう命じられる。
早速ドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。

しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった・・・。

(2006/ドイツ) ★★★★

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今年のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞しました。

東西冷戦時代のの東ベルリンを舞台にした映画には「グッバイ!レーニン」があるけど、今回、シュタージと呼ばれる国家保安省の局員が主人公となっているため、さらに一歩踏み込んだ映画となっているようです。

でも、何はなくとも主人公のヴィースラーを演じた役者さん(ウルリッヒ・ミューエ)ありきの映画でした。
国家に忠誠を誓う生真面目男の役だけど、この人の風貌に清潔感と穏やかさがあるので、冷たい感じがしないもの。
絶対に笑わないけど。。。

冷たい心が解けてく映画じゃなくて、持っていたものが触発されて顔を出した…。 
そんな映画になってます。

けど、どこでヴィースラーの善き心が目覚めたのかは微妙ですね。
ドライマンがピアノで“善き人のためのソナタ”を弾くところがポイントなんだろうけど、決定的なものには感じなかったです。

ドライマンを監視するキッカケになったのは、クリスタにお熱の大臣が恋人のドライマンの存在を邪魔に思ってのことだったんだろうけど、ヴィースラーも「ドライマンは怪しい」と言ってました。
この時点で、すでに彼の中に触発されるものがあったのではないかとも考えられます。
カフェでの出来事を思うと、ヴィースラーもクリスタに好意を持っていたとも考えられるし・・・。

ドライマンとクリスタの同棲生活を覗く事で刺激になったり、ドライマンが読んでいる本を拝借したり、
徐々に監視対象へ親近の情が湧くのは分かるんだけど、もう少し説得力が欲しかったです。

それとは別に、信念を貫き通す強き心と、権力に与する弱き心も対比して描かれていたように思い、興味深かったです。
密告、、、と言うことになるのですが、やはり自分の身は可愛いのですね。
「権力」の前では「愛情」は勝てないのかなぁ。
と言うより、「「権力」の前では「女性」ってだけで立場が弱くなってしまいますね。
でも、それ以前にも背徳行為をしてたし、クリスタの愛情の深さが映画ではあまり感じられなかったのが残念です。

ヴィースラーとクリスタの取調室でのやり取りは、ヴィースラーがどのような意図を持っているのか掴みきれなかったために、緊迫感に欠けました。
けど、その後の行動を見ると、すでにある程度の覚悟はしてたのかな・・・と思えてくる。
でも何故、そこまで・・・。

ちょっと中途半端なような、いまひとつな印象だったのですが、ラストシーンにきてジュワッと感動が心に沁みました。

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